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山行中のペース表示が激しく上下する理由

登りの途中でペース表示をちらっと見て、次に見たときにはキロあたり 30 秒近く変わっている——歩き方は何も変えていないのに、こういうことが起こります。山行が終わったあとの平均ペースを見ると、ほとんど動いていません。どちらも間違った数字ではなく、答えている問いが違うだけです。そして、トレイル上でいちばん気にしがちな「今のペース」こそ、その瞬間の数字としていちばん当てにならないものです。

結論

平均ペースは、総距離を行動時間で割った数字で、山行——あるいはそのひと区間——が終わったあとに出ます。大きな距離と大きな時間の割り算なので、途中の細かい誤差は薄まり、落ち着いた数字になります。歩いている最中に画面に出る「今のペース」はまったく別の計算で、直近の短い区間の距離と時間を数秒ごとに計算し直しています。この反応の速さこそが揺れの正体です。短い区間には、平均してならすだけの距離も時間もほとんどないからです。

どちらも間違いではありません。山行全体を評価するなら平均ペースが正直な数字で、画面に出る「今のペース」はきちんとした測定というより大まかな目安に近く、そもそもじっとしている数字として作られていません。

平均ペースと今のペースは違う問いに答えている

「今日はどれくらいの速さで歩いたか」を知りたいなら平均ペース——ルート全体を通じてひとつの数字です。「今この瞬間、どれくらいの速さで歩いているか」を知りたいなら今のペースで、直近の数点から答えるしかありません。それが手元にある材料のすべてだからです。後者のほうが難しい問いです。ルート全体に比べれば、直近の数点はノイズの多い小さなサンプルにすぎません。

距離や獲得標高でも同じ緊張関係があります。理由は同じで、記録全体から出す合計は、直近数秒だけを見た数字よりずっと安定しています。

数メートルの GPS のブレが、なぜ大きなペースの揺れになるのか

スマホの GPS 測位は、実際の位置ぴったりではなく、数メートルの範囲内に収まるくらいの精度です。1 キロ歩く間なら、その数メートルのブレは誤差のうちにも入りません——全体の 1 パーセントにも満たず、平均ペースはほとんど動きません。ところが、2、3 秒で実際に進む距離はほんのわずかで、同じ数メートルのブレがそのわずかな距離に対してはずっと大きな割合を占めます。速度は距離を時間で割ったものなので、計算に使う距離が小さいと、歩幅そのものは何も変わっていなくても、普通の GPS ノイズが「急に速くなった」「急に止まった」ように見えてしまいます。

直線のトレイルを歩いても記録された軌跡が少しジグザグするのと同じ理屈です。スマホやアプリが悪いわけではなく、ノイズはつねにそこにあって、平均でならしきれないほど短い区間を見たときにだけ目に見える形になります。

坂道がペースを本当に落とす理由——ノイズとは別の話

起伏のあるトレイルでのペースの揺れには、ノイズではなく本物の理由もあります。登りでは、一歩ごとの一部が高さを稼ぐことに使われ、地面の上を進む分——水平方向の距離——が平坦な道より小さくなります。ペースは距離を時間で割ったものなので、それに応じて数字は素直に遅くなります。下りではその逆が起こります。歩き方が変わったわけではなく、足元の地形が変わっただけです。起伏のあるルートのペースが平坦なルートに比べて凸凹して見えるのは、最初からそういうものなのです。

このことは、上で説明した GPS ノイズの話とは別に、知っておく価値があります。登りのたびに下がり、下りのたびに上がるペース表示は、誤作動しているのではなく、地形を正直に映しているだけです。

どの数字を信じればいいか

山行を振り返るときや、ある日と別の日を比べるときは、ルート全体の平均ペース、あるいは数秒のノイズに引っ張られない程度に長い区間の平均ペースを使ってください。画面に出る今のペースは、追いかけたり、それに合わせて歩き方を直したりする対象ではなく、その瞬間のおおよその感触として見るくらいがちょうどいいものです。反応の速さと安定性は、性質上どうしても両立しません。

TrailCam は距離、行動時間、高度プロフィールと並んで、キロあたり・マイルあたりのペースをルートのまとめとして表示します。画面を見なくても数字がほしいときのために、距離とペースを音声で読み上げることもできます。

よくある質問

一定の速さで歩いているつもりなのに、ペース表示が揺れるのはなぜですか?
ほとんどの場合、GPS のブレが原因です。スマホの測位は数メートル単位でブレますが、1 キロ全体で見れば誤差のうちに入りません。ところが直近数秒で実際に進む距離はごくわずかなので、同じブレが大きな割合になります。今のペースは、まさにその短い区間から計算し直されています。
遅くなった感じがしないのに、登りだとペースが落ちるのはなぜですか?
ペースは水平方向の距離を時間で割ったもので、登りでは一歩の一部が高さを稼ぐことに使われるからです。これは GPS ノイズとは別の、地形による本物の効果で、下りに転じれば逆になります。
山行のペースは、平均ペースと画面の今のペース、どちらを見ればいいですか?
比べたり覚えておいたりしたいなら平均ペースです。直近の数点ではなくルート全体から計算されているので、今のペースを揺らすノイズはすでにならされています。

自分のルートを記録する

TrailCam は iPhone 用の GPS ルート記録アプリです。動画・写真・音声メモを撮ったその地点に紐づけて保存し、GPX 1.1 または CSV で書き出せます。ダウンロードは無料です。

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