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登山アプリの「獲得標高」とは何を指しているのか

獲得標高とは、登った分をすべて足し合わせた数字です。出発地点と最高地点の標高差ではありません。駐車場に戻ってくる周回ルートは、標高の正味の変化がゼロでも、獲得標高が 1000 メートルを超えることが普通にあります。この区別ひとつで、この数字をめぐる誤解のほとんどが説明できます。

獲得標高・下降・正味の変化

ルートに沿った標高の並びを、順番にたどります。ある点から次の点で標高が上がったら、その差を 1 つ目の合計に足す。下がったら、別の合計に足す。1 つ目が累積獲得標高(総上昇量、あるいは単に「登り」)、2 つ目が下降量です。出発地点と到着地点の標高差は正味の変化で、これはまったく別の、そしてずっと役に立たない数字です。

ピストン(往復)なら獲得標高と下降量はほぼ同じになります。縦走なら大きく食い違うことがあります。周回なら正味の変化は定義上ゼロですが、獲得標高はいくらでも大きくなりえます。誰かが「このルートは登り 800 メートル」と言うとき、指しているのは獲得標高です。

標高の数字はどこから来るのか

GPS の高度

衛星測位は水平方向だけでなく垂直方向の値も出しますが、垂直の精度は本質的に劣ります——通常は 2〜3 倍。頭上の衛星の配置は、地面の上での位置ほど高さを強く拘束しないからです。生の GPS 高度は、じっと立っていても数メートル揺れます。

気圧計

iPhone 6 以降には気圧センサーが入っており、気圧は標高とともに変わることがよく分かっています。おかげで相対的な高度変化はずっと滑らかに取れます——「10 メートル登った」を検出するのは得意です。ただし基準が要ります。気圧は天気でも変わるからです。前線が通過すれば、立ち止まったままでも数時間で見かけの標高が数十メートル動くことがあります。

地形モデル

サービスによっては、記録された標高を丸ごと捨てて、各座標の地形の高さを数値標高モデルから引き直します。非常に安定しますが、橋もトンネルも立体交差もまったく見えていません。

同じ山行でアプリごとに数字が違う理由

どのアプリもフィルタをかけていて、そのフィルタが違うからです。まったく平坦な道を、標高が点ごとに上下 3 メートル揺れる状態で記録したとします。上向きの揺れを素直に全部足せば、谷底から一歩も出ていないのに数百メートル「登った」ことになります。だからどのアプリもある閾値以下の変化を無視しますが、その閾値は設計判断であり、おおむね 3 メートルから 10 メートルの間のどこかです。閾値が低ければ獲得標高は大きく出て、高ければ小さく出ます。

同じ GPX ファイルを 3 つのサービスに上げると 3 つの数字が返ってきて、そのどれもが筋の通った数字である、というのはこのためです。教訓としては、同じアプリの中で自分の山行どうしを比べること。アプリをまたいだ標高の比較は目安として扱うこと。距離は道具が違ってもかなり揃いますが、標高は疑ってかかるべき数字です。

TrailCam は獲得標高を地図の下の高度プロフィールとして、距離・行動時間・ペースと並べて表示します。保存したルートを再生するときも、同じプロフィールが下で一緒に動きます。

この数字は何の役に立つのか

獲得標高は、その山行がどれくらいしんどいかを予測する単独の指標として最良で、距離だけよりはるかに当てになります。平地の 10 キロと、登り 1000 メートルの 10 キロは、まったく違う一日です。古くからある山の歩き方の目安では、水平距離ぶんの時間に加えて、上昇 600 メートルごとにおよそ 1 時間を足します。粗い見積もりですが、それでもルートを長さだけで判断するよりずっと役に立ちます。

同じくらいの長さの 2 本を比べるときも、これが正直な物差しです。近所の小さな山が、ずっと長い谷沿いの道より厳しい一日になりうるのは、この数字のせいです。

よくある質問

獲得標高は山の標高と同じですか?
違います。獲得標高はルート上の登り区間をすべて足したものです。山頂に登り、途中まで下ってまた登れば、その登りが全部足されるので、登山口と山頂の標高差より大きくなることがよくあります。
同じ山行なのに Strava と獲得標高が違うのはなぜですか?
サービスごとにノイズの閾値が違い、記録された標高を地形モデルの値に置き換える場合もあるからです。どちらも同じ点から、違うフィルタを通して出た数字です。アプリをまたいで比べるより、同じアプリの中で比べてください。
高度は気圧計のほうが GPS より正確ですか?
相対的な変化の検出はずっと得意で、値も滑らかです。ただし気圧を測っている以上、天気とともにずれます。多くの端末はどちらか一方に頼らず、両方を組み合わせています。

自分のルートを記録する

TrailCam は iPhone 用の GPS ルート記録アプリです。動画・写真・音声メモを撮ったその地点に紐づけて保存し、GPX 1.1 または CSV で書き出せます。ダウンロードは無料です。

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