GPS 記録で iPhone のバッテリーはどれくらい減るのか
多くの人が思っているより少なく、そして最大の要因であることはほとんどありません。現代の iPhone の衛星受信機は、動かし続けることを前提に設計された省電力のチップです。1 日歩いて電池が尽きる主因はたいてい画面で、次が「届かない基地局を探し続ける携帯電話の無線」です。衛星ではありません。
正直な順位
丸一日の山行でルートを記録しているスマートフォンの消費を、おおよその大きさ順に並べるとこうなります。
- ディスプレイ。現代のスマートフォンで最大の消費源であり、しかも完全に自分の裁量下にあります。距離を確認するために画面を点けるたびに、衛星受信の数分ぶん以上を使っています。
- 携帯電話の無線。とくに電波が弱い場所では最悪です。かろうじて基地局に届きそうな状態だと、最大出力で送信し続けます。完全な圏外より悪いこともあります。
- カメラ(動作中)。動画撮影はセンサーとエンコーダーと画面を同時に使うので、短時間ですが本当に高くつきます。
- 衛星受信機そのもの(常時稼働)。
- そのほか——各種センサー、バックグラウンド更新、通知など。
同じ機種・同じアプリで同じ山を歩いた 2 人が、まったく違う残量で下山するのはこの順位のせいです。差はソフトウェアではなく、使い方にあります。
「つけっぱなし」が思ったより安い理由
記録アプリは iOS に位置情報の更新を要求し、その要求をどう効率よく満たすかは iOS が決めます。受信機は常に全開で回っているわけではなく、間欠的に動きます。さらにシステムは衛星のデータとモーションセンサーの情報を統合します。モーションセンサーははるかに安く動くので、測位と測位の間の短い移動は加速度計とジャイロから推定できます。1 日じゅう記録しているスマートフォンが、画面を点けたままターンバイターン案内を動かしているスマートフォンのようには振る舞わないのは、このためです。
だからこそ「画面を消しても記録が続く」ことは単なる利便性の話ではありません。TrailCam は画面を消しても、ほかのアプリを開いていても記録を続けます。つまり正しい使い方——開始したらしまって、見ない——が、そのまま最も電池を使わない使い方でもあります。
実際に変えるべきこと
- 圏外だと分かっているときは機内モードにする。位置情報は動き続け、無駄な基地局探索だけが止まります。たいていこれが最大の節約になります。
- 画面を見ない。音声の読み上げは、まさに端末をポケットに入れたままにするためにあります。TrailCam は距離とペースを歩きながら読み上げ、インターバルの各セットも音声で知らせます。読み上げは選んだ言語で行われます。
- 輝度を下げる(あるいは自動調整に任せる)。直射日光の下では画面が最大輝度になり、それが最も高くつく状態です。
- 低電力モードを使う。バックグラウンドの動作と画面のリフレッシュが抑えられます。前面での位置記録は続きます。
- 端末を冷やさない。リチウム電池は低温で使える容量が落ち、氷点下では一気に減るように見えます。アウターの外ポケットではなく内側に入れるだけで違いが出ますし、暖まると見かけの残量がある程度戻ることもあります。
- 動画は「撮りたいときに撮る」。1 本ずつは安く、積み上がると高くつきます。
バッテリーの劣化と、現実的な期待値
数年使って劣化した端末は新品には勝てませんし、アプリの設定でその差は埋まりません。iOS は設定の中で最大容量を出荷時に対する百分率として表示します。この数字が大きく落ちているなら、アプリの設定をいじるより、長い行動日にはモバイルバッテリーを持つ前提で計画するほうが確実です。寒さはこれを増幅します。最大容量 80 パーセントの端末が氷点下に置かれると、どちらか片方の要因から想像するよりずっと悪く振る舞うことがあります。
丸一日出るなら、小さなモバイルバッテリーと短いケーブルが、常に効く答えです。上に書いたどの工夫よりも、手間あたりの効果が大きいのは結局これです。
よくある質問
- GPS 記録は iPhone の電池をすぐ減らしますか?
- 衛星受信機そのものは常時動いていても消費は控えめです。記録中の消費は、画面と、電波を探し続ける携帯電話の無線のほうがはるかに大きいのが普通です。
- 山では機内モードにしたほうがいいですか?
- 圏外なら、したほうがいいです。位置情報は機内モードでも動き続け、届かない基地局を探すための消費だけが止まります。
- アプリを画面に出したままのほうが精度は上がりますか?
- 上がりません。精度は衛星の受信状況で決まり、アプリが見えているかどうかとは無関係です。画面を点けたままにしても、電池を使うだけです。
自分のルートを記録する
TrailCam は iPhone 用の GPS ルート記録アプリです。動画・写真・音声メモを撮ったその地点に紐づけて保存し、GPX 1.1 または CSV で書き出せます。ダウンロードは無料です。