登山の記録を GPX で書き出す方法
GPX で書き出すというのは、スマートフォンが記録した点の並び——緯度・経度・標高・時刻——を、世界中のほとんどの地図ソフトが読めるテキストファイルに書き出すということです。手順、中身、そして書き出したあとの行き先を順に見ていきます。
まず結論
記録に使ったアプリで完了したルートを開き、共有または書き出しの操作から GPX を選びます。出てくるのは 1 つのファイルで、日帰りの山行なら数十 KB から数百 KB 程度です。あとは自分宛にメールしても、ファイルや iCloud Drive に置いても、iOS の共有シートからそのまま別のアプリに渡してもかまいません。
TrailCam の場合、1 本のルートだけでも、履歴全体をまとめてでも、GPX 1.1 または CSV で書き出せます。書き出しは任意の TrailCam Pro の機能です。
ファイルの中身
GPX の実体は XML です。トラックの中にトラックポイントが順番に並び、各点は最低限、緯度と経度を持ちます。多くの記録アプリはさらに標高と UTC の時刻を各点に書き込みます。あとから速度・ペース・高度プロフィールを再構成できるのは、この時刻があるからです。トラック名や種目名が入っていることも普通です。
逆に、GPX に入らないものもあります。途中で撮った写真・動画・音声は別のファイルであり、GPX には埋め込めません。座標付きのウェイポイントとして「そこに何かがあった」ことは示せますが、メディア本体は外にあります。撮ったものごと大事にしたいルートなら、書き出したファイルとメディアをまとめて保管するか、アプリ側の記録を原本として残しておくのが確実です。
他のサービスに取り込む
Strava
Strava は Web の「アクティビティをアップロード」から GPX を受け付けます。「ファイル」を選んで GPX を指定すると、点の並びから距離・行動時間・獲得標高を Strava 自身が計算し直してアクティビティを作ります。元のアプリの集計値をそのまま使うわけではないので、数値が少しずれるのは正常です。
Garmin Connect
Garmin Connect は GPX を「アクティビティ(やったこと)」としても「コース(これからやること)」としても取り込めます。履歴に残したいならアクティビティ、同じ道をもう一度時計でたどりたいならコースとして取り込みます。
Komoot やそのほかの地図ソフト
Komoot、Gaia GPS、CalTopo、QGIS、Google Earth など、ほとんどの地図ソフトは GPX をそのまま開けます。中身がテキストなので、最悪テキストエディタで開けば自分の座標を目で確認できます。
うまくいかないとき
- 「空のファイル」と言われる——点が少なすぎる場合です。開始直後に止めた記録などが該当します。
- 時刻が数時間ずれる——GPX の時刻は慣例として UTC です。受け取った側が自分のタイムゾーン設定で表示するので、ファイルが壊れているわけではありません。
- 標高がやけにギザギザ——スマートフォンの標高は GPS と気圧センサーから来ます。サービスによっては地形モデルの標高で置き換えるため、同じファイルでも場所によって獲得標高が変わります。
- パソコンで開けない——メールソフトに .txt へ書き換えられていないか確認します。中身は XML なので、拡張子は受け取る側にとってだけ意味があります。
そもそもなぜ書き出すのか
理由は 2 つあり、どちらもアプリではなく自分のためです。1 つは可搬性。GPX は XML を読める何かがあれば 20 年後でも開けますが、アプリの中の独自データベースについて同じことは言えません。もう 1 つは冗長性です。スマートフォンはなくすことも、川に落とすことも、単に買い替えることもあります。GPX のフォルダは、どの会社が続いているかに依存しないバックアップです。
よく記録する人ほど、1 本ずつ書き出すより、ときどき履歴全体を書き出すほうが価値があります。TrailCam は履歴全体を 1 つの GPX ファイル、または CSV のサマリーとして一度に書き出せます。
よくある質問
- GPX に写真や動画も一緒に入りますか?
- 入りません。GPX は座標のための形式で、メディアを埋め込む場所がありません。写真・動画・音声メモは別ファイルのまま残り、書き出されるのは軌跡そのものです。
- Strava の距離は元のアプリと同じになりますか?
- 必ずしも同じにはなりません。Strava はファイルの点から独自の平滑化と地形データで距離や標高を計算し直すため、多少ずれます。どちらも同じ点から出た数字です。
- GPX を TrailCam に読み込むこともできますか?
- できます。TrailCam は GPX の書き出しだけでなく、手持ちの GPX ファイルの取り込みにも対応しています。
自分のルートを記録する
TrailCam は iPhone 用の GPS ルート記録アプリです。動画・写真・音声メモを撮ったその地点に紐づけて保存し、GPX 1.1 または CSV で書き出せます。ダウンロードは無料です。