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獲得標高が大きい山行だと、なぜペースが遅く見えるのか

ペースは距離を時間で割っただけの数字で、登りは平坦な道より同じ距離を進むのに単純に時間がかかるから。途中に急な登りをはさむ5キロの稜線歩きと、川沿いを歩く平坦な5キロは、地図の上では同じ距離でも、同じ時間で歩き切る人はまずいない。だからペースの数字も一致しない。トラックが坂に戸惑っているわけではなく、そもそも坂について聞かれていないだけだ。

結論

ペースは距離を時間で割った値で、それ以上でも以下でもない。標高も、傾斜も、足元の状態も読み取っていない。実際に登りのある山行は、同じ距離を平坦な道より長い時間かけて進むことになるので、ペースの数字は遅く出る。記録に何か問題が起きたわけではなく、この数字は「どれだけの距離を、どれだけの時間で進んだか」をそのまま報告しているだけで、登りにかかった時間もその中にそのまま含まれている。

ペースが実際に何から計算されているか

山行の最後に出る平均ペースも、道中で刻々と変わるペースも、材料は同じ二つ——歩いた距離と、それにかかった時間だけ。一方をもう一方で割ればペースが出る。この計算のどこにも、ルートのどれだけが登りだったか、傾斜がどれくらいだったかという項目は入っていない。距離は記録されたトラックに沿って、地図上の二次元の直線距離として測られる。実際の道が平坦だったか稜線を登っていたかは関係ない。

これは、誰も特にペースを落として歩いたわけではないのに、同じ距離の二つの山行で数字が違って出る理由でもある。地形そのものが通過にかかる時間を変えていて、数字はその結果を正直に伝えているにすぎない。

登りが同じ距離により多くの時間を要する理由

GPS トラックの上ではどちらも「1キロ」だとしても、平坦な道の1キロと急な登りの1キロは同じ作業ではない。足元は荒れ、景色を眺めたり地図を確認したりする立ち止まりも増え、体を重力に逆らって上へ運ぶこと自体、水平に前へ進むより一歩あたりの時間がかかる。そのどれも別の数字として表には出てこない。すべては「同じ水平距離を進むのにかかった時間が長くなった」という形で表れ、それこそがペースが映し出すものにほかならない。

途中に長く安定した登りを含むルートは、同じ長さの平坦な道より平均ペースがほぼ必ず遅く出る。登りと下りを繰り返すルートなら、そのどちらにどれだけの距離を費やしたかに応じて、両者の中間あたりのペースになる。

間違っているように感じても、実はそうではない理由

急な登りは、歩いている最中は確かにきつく感じるもので、そのあとに出てくる遅いペースの数字は、その頑張りと釣り合っていないように見えるかもしれない。頑張った分、良い数字が出るべきだと思ってしまう。しかしペースはきつさを測っているわけではない。単位時間あたりにどれだけ水平距離を進んだかを測っているだけで、登りはその性質上、どれだけ苦労して稼いだ一メートルであっても、平坦な道の一メートルより進みが遅くなる。「その区間がどれだけきつく感じたか」と「どれだけ速く進めたか」は関係はあっても同じものではなく、ペースが報告しているのはそのうちの片方だけだ。

二つの山行を公平に比べるなら、両方の数字を見る

平坦な5キロの散歩と、実際に登りのある稜線の5キロは、距離だけで見るとペースの比較として公平ではない。距離だけでは、二つの山行の所要時間を違えた張本人——標高差——が抜け落ちてしまうからだ。同じ山行の獲得標高の数字とペースを並べて見ることが、ペース単体を見るより実際にはその数字を説明してくれる。遅いペースに大きな獲得標高が伴っているなら、それはつじつまの合った話であって、何かがおかしいという合図ではない。二つの山行がペースだけできれいに比較できるのは、地形が実際に似ていた場合に限られる。

つまずきやすいところ

  • 登りのある日にペースが遅いのを見て、トラックの精度が落ちた、距離を取りこぼしたと思い込む——たいてい距離は問題なく、登りのぶん時間が長くかかっただけ。
  • 片方の獲得標高が明らかに大きいかどうかを確かめずに、二つの山行のペースを比べる——その比較が公平に成り立つのは、地形が実際に似ていた場合だけ。
  • きつい登りをこなしたら、その分ペースの数字が良くなることを期待する——ペースが測っているのは距離と時間で、きつさではない。きつい登りはどれだけ大変でも、水平距離あたりでは遅い部類に入るのがふつう。
  • 登りと平坦が入り混じった山行の遅いペースを、一つの原因のせいだと決めつける——平坦と急登が交互に来るルートの平均は、その中間あたりに落ち着くだけで、単一の説明があるわけではない。

TrailCam でできること

TrailCam は山行のあと、ペースと獲得標高を並べて表示し、登りは地図の下に高度プロフィールとして描かれるので、ペースが落ちている区間が実際に登っていた区間と視覚的に重なって見える。ペース単体ではなく二つを一緒に見ることが、単体では奇妙に見えた数字の説明になることが多い。TrailCam はダウンロード無料。

よくある質問

登りでペースが遅いのは、GPS トラックの精度が落ちているということですか?
いいえ。ペースは距離を時間で割った値で、登りは平坦な道より同じ距離を進むのに実際に時間がかかります。数字が遅いのはその余分な時間を反映しているだけで、記録に問題があるわけではありません。
同じ距離の二つの山行は、ペースだけで公平に比べられますか?
地形が似ている場合に限られます。片方の登りが明らかに大きければ、獲得標高を見ずにペースだけを比べると、二つの所要時間が違った理由を見落とすことになります。
きつく感じた登りが、なぜ速いペースではなく遅いペースとして出るのですか?
ペースが測っているのは、その区間がどれだけきつかったかではなく、時間あたりに進んだ距離です。登りはその性質上、どれだけきつく感じたかにかかわらず、水平距離あたりではほぼ確実に平坦な道より進みが遅くなります。

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TrailCam は iPhone 用の GPS ルート記録アプリです。動画・写真・音声メモを撮ったその地点に紐づけて保存し、GPX 1.1 または CSV で書き出せます。ダウンロードは無料です。

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