登山中の動画クリップは iPhone の容量をどれくらい使う?
1 日ぶんの GPS の記録は驚くほど小さく、8 時間歩いても座標のテキストファイルは数百 KB を超えることはめったにありません。動画はまったく違う桁の話で、長い旅で iPhone の空き容量が足りなくなるかどうかを決めているのは、軌跡そのものではなく動画です。なぜこれほど差が開くのか、そして容量が心もとないときに実際に効く対策を見ていきます。
まず結論
GPS の軌跡は単なる数字の並びです。緯度・経度・標高・時刻が、数秒おきに 1 セットずつ増えていくだけ。こういうテキストはほとんど容量を取らず、1 点ずつ記録した丸 1 日分の山行でも、書き出せばだいたい数十 KB から数百 KB です。動画はまったく種類の違うデータで、1 秒間に何枚もの画像を積み重ねたものなので、短いクリップ 1 本でも数十 MB になることは珍しくありません。旅の途中で iPhone の容量がみるみる減っているなら、原因は地図上の線ではなく、撮ったクリップのほうです。
だからといって動画を我慢する理由にはなりません。容量が実際どこに使われているのかを知っておけば、旅の 3 日目に容量が尽きても不思議には思わずに済む、というだけの話です。
なぜこれほど差が開くのか
トラックポイントはほんの数個の数字
軌跡の各点は、短いフィールドがいくつか並んだだけのテキストです。数秒ごとに 1 点ずつ、何千点になってもテキストエディタで開けるくらいの容量にしかなりません。そもそも画像データが一切入っていないのです。どこにいたかを記すだけで、そこがどう見えたかは記していません。
動画クリップは何千枚もの画像の集まり
動画は画像のフレームを連続で並べたもので、1 枚 1 枚が完全な画像です。容量を現実的な範囲に抑えるために圧縮されてはいますが、最近の iPhone は標準で効率のよいコーデック(HEVC、H.265 とも呼ばれます)を使い、古い形式に比べればかなり小さくなります。それでも動く画像は結局のところ画像の連続で、1 秒間に何十枚も——座標 1 行とはまるで桁が違います。
クリップの大きさを実際に左右するもの
- 長さ——クリップが長くなれば、ほぼそのまま容量も増えます。2 分程度に上限があるなら、際限なく録り続けるのに比べて、1 本あたりの容量に自然な天井ができます。
- 解像度とフレームレート——iPhone のカメラ設定で解像度や秒間のコマ数を上げれば、1 秒あたりの画像データが増え、同じ長さでも目に見えて大きなファイルになります。
- 画面の中で実際に動いているもの——流れる水や揺れる木々のような細かく複雑な動きは、ほぼ静止した画面よりも圧縮しにくいため、同じ長さ・同じ設定のクリップでも大きさが同じになるとは限りません。
複数日の旅では容量はどこに積み上がるか
午後だけの日帰り山行なら、これは机上の話です。短いクリップが何本かある程度では、最近のスマートフォンの容量からすれば誤差の範囲に収まります。効いてくるのは複数日にわたる旅で、どこかに逃がす機会がないまま何日ぶんものクリップが積み重なっていく場合です。短い動画が何本も重なると、同じ本数の写真や音声メモ——こちらはほとんど容量を食いません——に比べて、どれだけ早く膨らむかは意外と見落としがちです。
GPS の軌跡そのものは、何日ぶんになろうと問題になることはありません。慌てて何かを消す前に、この違いを知っておく価値はあります。旅に紐づいたルートデータはどれだけ残しておいても安全で、気にかけるべきはその上に乗っているクリップのほうです。
実際に効く対策
- 旅の最中ではなく、出発前に「設定 > 一般 > iPhone ストレージ」を確認する——推測ではなく、実際に何が容量を使っているかがわかります。
- アプリが対応していれば、iCloud への同期でバックアップを本体の外に置ける——旅のクリップの置き場所が本体だけにならずに済みます。
- 何でも撮るより、短く狙いを絞ったクリップのほうが効く——2 分という上限は、1 時間分の映像を招き入れずに瞬間を残すには十分な長さです。
- 古いルートを消すことだけが手段ではない——ルートの容量のほとんどはメディアの分なので、古い旅から大きすぎるクリップを何本か減らすだけで、ルートごと消すよりずっと多くの空きができます。
TrailCam は記録画面から離れることなく、写真、2 分までの動画クリップ、話した内容そのままの音声メモを撮ることができ、それぞれを撮った場所のルート上の地点に紐づけて保存します。サインインすればルートはクラウドに同期されるので、新しい端末や空き容量を確保した端末でも、履歴はそのまま揃っています。ダウンロードは無料です。
よくある質問
- ルートを GPX で書き出すと、動画クリップも一緒に入りますか?
- 入りません。GPX は座標のための形式で、メディアを埋め込むフィールドがないため、GPX の書き出しに入るのは軌跡——容量としてはごくわずかな部分——だけで、そこに紐づく動画・写真・音声メモは含まれません。
- 長い山行だと、GPS の軌跡だけでも容量が目に見えて増えますか?
- ほとんど増えません。トラックポイントは 1 点ずつが小さなテキストなので、長時間の記録を積み重ねても、ファイルは MB ではなく KB の単位にとどまります。旅先で容量が足りなくなるとしたら、原因は軌跡の長さではなく動画です。
- 解像度を下げて撮ると、容量は実感できるほど節約できますか?
- できます。解像度とフレームレートはクリップの大きさを左右する大きな要因の 2 つで、設定を下げれば同じ長さの映像でも目に見えて小さなファイルになります。
自分のルートを記録する
TrailCam は iPhone 用の GPS ルート記録アプリです。動画・写真・音声メモを撮ったその地点に紐づけて保存し、GPX 1.1 または CSV で書き出せます。ダウンロードは無料です。