山行を一時停止すると、獲得標高の数字は変わるのか
変わりません。理由は見た目より単純で、獲得標高は時間の長さを測っている数字ではなく、記録された点と点のあいだの「登った分」を足し合わせているだけの数字だからです。一時停止しているあいだは、そもそも点自体が記録されていません。何も起きていないのは、何かが起きるように仕組まれているからではなく、単に入力が止まっているからです。むしろ面白いのは、もし止まっているあいだも記録が続いていたら何が起きるかという話で、それこそが獲得標高の計算がいちばん苦手とする状況であり、一時停止はまさにその状況を避けてくれています。
短く答えると
一時停止は、獲得標高の合計に足すことも引くこともなく、何の影響も与えません。記録が止まっているあいだは新しい点がひとつも記録されないので、その時間帯について獲得標高の計算が見るものが何もありません——高度の読み取りも、その間の抜けも、ずれもです。五分の休憩でも五十分の休憩でも、獲得標高にかかるコストはまったく同じで、ゼロです。この数字が変わるのは、あくまで記録が実際に動いているあいだに記録された点によってだけです。
獲得標高が実際に何から作られているか
獲得標高は山頂の看板から一度だけ読み取る数字ではなく、記録されたルート全体から、点ごとに積み上げていく数字です。ルート上の各点にはそれぞれ高度の読み取り値が付いています。ある点から次の点へ進んで、ふたつの高度を比べ、次のほうが高ければその差を合計に足し、低ければ無視します。獲得標高は「登った分」だけを数えるからです。ハイキング全体にわたってこれを点ごとに繰り返した合計が、あとで表示される獲得標高の数字になります。
つまりこの合計は、記録された点の並びと、それぞれの高度がどう比較されるかだけで決まっていて、実際にどれだけ時間がかかったかや、記録が止まっているあいだに何があったかとは、まったく関係がありません。
立ち止まっている時間が、この計算にとって一番苦手な状況である理由
GPS の高度は、位置そのものより読みがぶれやすいものです。衛星は空をぐるりと囲むようには存在せず、水平線より上の方にしかないため、高さを割り出すための幾何学的な条件は、位置を割り出すための条件より弱くなります。受信機を完璧に静止させて持っていても、垂直方向の読み取り値は数メートルほど上下に揺れることがあり、水平方向の位置はそこまでぶれません。歩いているあいだは実際の高度も常に変化しているので、このぶれは小さな誤差として吸収されて、ふつうは害になりません。立ち止まっている状況こそ、このぶれそのものが全部になってしまう唯一の場面です。もしその場に立ち止まっているあいだも記録が点を取り続けていたら、その上下の揺れは、獲得標高の計算からすると小さな本物の登り下りとまったく同じに見えてしまいます。合計は比較のうち「登った分」だけを数えるので、このぶれは平均してゼロにはならず、じっと止まっている端末から少しずつ獲得標高を作り出してしまいます。
一時停止がこの問題をそもそも避けている理由
一時停止中の記録は、ぶれた点を静止したまま記録し続けているのではなく、その時間帯について点そのものをまったく記録していません。そもそも高度の読み取りが行われていないので、足し合わせるべき揺れもありません。これは、獲得標高の計算が「止まったことを賢く見抜いている」からではなく、それよりもっと単純な仕組みです。記録そのものが一時停止するので、計算への入力が静かになり、静かな入力は合計に何も足さないというだけのことです。一時停止した時間が行動時間に決して入らないのと、まったく同じ理由——記録に開いた同じ空白によって、このふたつの数字はどちらも守られています。
一時停止そのものではなく、その前後で少しだけ動くことがあるもの
小さな影響が出うる場所がひとつだけあるとすれば、それは継ぎ目の部分です——一時停止する直前に記録された最後の点と、再開した直後に記録された最初の点。このふたつは、時間的にも、場合によっては正確な位置としても、わずかに間が空いた状態で記録されています。ちょうど、山行の一番最初の数点が、受信機が落ち着くまでのあいだ少し多くのぶれを含みうるのと同じです。これは一時停止の境目にある小さな一回限りの差であって、休憩が長引くほど大きくなっていくようなものではありません。十秒の小休止でも二時間の昼休みでも、この継ぎ目分の影響は——もしあったとしても——同じです。休憩の長さそのものは、そもそもこの計算に入っていないからです。
勘違いしやすいところ
- 長い休憩は、経過時間を伸ばすのと同じように獲得標高も水増しすると思い込む——実際にはそうなりません。獲得標高と経過時間はまったく別の入力から作られていて、一時停止は獲得標高が頼っているほうの入力を空っぽにするだけだからです。
- 凸凹した地面に座って休んでいるあいだ、登ったり下りたりしたと記録されてしまうのではと心配する——記録がちゃんと一時停止していれば、そうはなりません。
- 五分の昼休みと五十分の昼休みとで、獲得標高の見え方が違うはずだと思い込む——違いません。合計はあくまで記録された点だけを読みますし、一時停止中は点がひとつも記録されないからです。
- 獲得標高にちょっとした変化があったとき、それを一時停止そのもののせいにする——実際には、時間的に少し離れた二点のあいだで起こる、記録の始まりや終わりにいつも見られる程度の小さな落ち着き効果であることがほとんどです。
TrailCam でできること
TrailCam ではルートを自由に一時停止・再開でき、一時停止していた時間は行動時間に入らないのと同じように、あとで見る獲得標高にも入りません。どちらの数字も、実際に記録された点から作られていて、一時停止はその区間の点が単に少なくなるというだけのことです。ルートを再生したときに地図の下に表示される高度プロフィールも、記録されたとおりの継ぎ目込みでそのまま描かれます。TrailCam はダウンロード無料です。
よくある質問
- 長く一時停止すると、獲得標高は増えるのではなく減ったりしますか?
- どちらの方向にも動きません。一時停止中はその区間で点がまったく記録されないので、合計には何も足されず、何も引かれもしません。
- 一時停止せずにその場でじっと立ち止まっていると、獲得標高が偽物のまま増えることはありますか?
- GPS の高度のぶれが一番効いてくるのが、まさにその状況です。垂直方向の読み取り値は、実際の高さが変わっていなくても少し揺れることがあるからです。一時停止すれば記録そのものが止まるので、そもそも揺れる読み取り値が取られず、この問題自体が起きません。
- 一時停止は、獲得標高と行動時間の両方に同じように影響しますか?
- はい、根っこの理由は同じです。一時停止していた時間は行動時間から除かれ、その区間で獲得標高が足し合わせるべき点も記録されません。どちらの数字も、記録に開いた同じ空白によって守られています。
自分のルートを記録する
TrailCam は iPhone 用の GPS ルート記録アプリです。動画・写真・音声メモを撮ったその地点に紐づけて保存し、GPX 1.1 または CSV で書き出せます。ダウンロードは無料です。