同じ山道を歩くたびに獲得標高が変わるのはなぜか
同じ周回コースを一か月のうちに二度歩いても、アプリが出す獲得標高はまず一致しません。足元の地面はまったく動いていないのにです。この食い違いは、ハイキングアプリが出すどの数字よりも人を落ち着かなくさせます。距離はだいたい思ったとおりに振る舞うのに、標高だけは、山道そのものとは関係のない理由でそうならないからです。
まず結論
獲得標高は、距離のようにルートに固定された値ではありません。歩くたびに、その日たまたま記録された標高データから、アプリが使っているノイズの閾値でフィルタをかけて、そのつど新しく作られる測定値です。同じ道を記録した二回の山行は、一つの保存された数字を二度読み出しているのではなく、二つの別々の測定であり、両者に差があるのはむしろ普通のことで、どこかが壊れている印ではありません。
数パーセントのずれは普通の範囲です。数十パーセントのずれになると、たいていは下で挙げる具体的な理由——多くは天気とその日の足取りであり、スマートフォンの不調ではありません——にたどり着きます。
同じ道の二つの記録で、実際に何が違うのか
その日の天気
気圧センサーで滑らかな標高を得ているスマートフォンは、気圧を測っています。気圧は、実際の高さとは無関係に天候で変わります。二回の山行のうち片方の途中だけ前線が通過すれば、もう片方には起きなかった見かけの標高の動きが、その回にだけ乗ります。その日の空気がたまたま違っていた、というだけの理由でです。
その時間帯の衛星の配置
GPS の高度は、位置そのものよりもともとノイズが多く、しかもそのノイズの大きさは、歩いていた瞬間に頭上にどう衛星が並んでいたかにもある程度左右され、これは一日のうちでも、日によっても変わります。朝に記録した山行のほうが、まったく同じ道を昼に歩いたときより垂直方向の信号がきれいなことがあり、これは山道側の事情とは無関係です。
実際にどこを歩いたか
「同じ」山道を歩いた二回の記録が、センチメートル単位で同じ線をたどることはありません。水たまりをよけて回り込む、つづら折りを少し大きく切る、標高の読みがちょうど揺れている場所で立ち止まる——こうした小さな違いが、どの点が記録されるか、そのうちどれがアプリのノイズ閾値を超えて「登り」として数えられるかを変えてしまいます。
記録を始めた場所
駐車場から記録を始めたルートと、そこから少し先の登山口の看板から記録を始めたルートは、同じ記録ではありません。多くの人が「この山道」と呼ぶ部分に入る前から、距離も獲得標高も両方で違いが出ます。
起きていないこと
山道の高さが山行のたびに変わっているわけではなく、スマートフォンが劣化しているわけでもなく、アップデートで直るような不具合をアプリが起こしているわけでもありません。獲得標高は整数として表示されるので正確な値に見えますが、実際にはそれぞれが個別には不確かな、無数の小さな差を積み上げて作られた、測定値というより推定値に近いものです。二回の山行がメートル単位で一致することを期待するのは、この仕組みがもともと持っていない精度を求めることになります。
この数字をどう使えばいいか
一つの数字を真実だと期待するのではなく、一つのアプリの中で、同じルートを何度か歩いた記録どうしを比べてください。たとえば同じ周回を五回記録して「だいたい 700 から 780 メートルの範囲」とわかるほうが、正確を装った一つの数字よりも多くを教えてくれますし、それがこの測定値の正直な姿です。
距離のほうが、繰り返しの記録の間でずっと安定しています。GPS は垂直方向より水平方向のほうが単純に精度が高いからです。歩くたびに信頼して比べたい数字が一つ欲しいなら距離を使い、獲得標高はその二つのうち粗いほうだと思っておくとよいでしょう。
TrailCam はすべてのルートについて、距離・行動時間・ペース・獲得標高を履歴として残しているので、今回の山行と前回同じ道を歩いたときとを比べるのも、一か月前の数字を記憶から探すのではなく、保存された二つのルートを並べて開くだけで済みます。ダウンロードは無料です。
よくある質問
- 同じ山道を歩くたびに獲得標高が違うのは、スマートフォンが壊れているからですか?
- いいえ。歩くたびに標高を新しく測り直している以上、多少の差が出るのは普通のことです。一つの正確な数字が毎回そのまま繰り返されることを期待するより、何回か記録した幅を見るほうが実情に合っています。
- 同じ山行を繰り返すとき、なぜ距離のほうが獲得標高より一致するのですか?
- GPS は水平方向のほうが垂直方向より本質的に精度が高いため、距離は繰り返しの記録どうしでよく一致しますが、獲得標高はそうなりません。二つのうちでは距離のほうを安定した数字として扱ってください。
- 天気が変えるのは山行そのものだけでなく、標高の数字にも本当に影響しますか?
- 気圧センサーで標高を出しているスマートフォンなら、影響します。このセンサーは気圧を測っていて、気圧は実際の高さとは無関係に天候で変わるので、同じ山道でも天気の違う二日間では、獲得標高の合計が違う値として記録されることがあります。
自分のルートを記録する
TrailCam は iPhone 用の GPS ルート記録アプリです。動画・写真・音声メモを撮ったその地点に紐づけて保存し、GPX 1.1 または CSV で書き出せます。ダウンロードは無料です。