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天気が悪いと山行中の GPS 精度は落ちるのか

直感的には、そうであってもおかしくない気がします。どんよりした曇り空は、いかにもスマートフォンと衛星の間に割り込んできそうに見えるからです。実際には、雲や雨、霧が GPS の測位そのものに与える直接の影響はほとんどありません。天気が山行の記録に変化を及ぼす部分はあるものの、思われているより短いリストで済み、どれが本物の影響かを知っておく価値があります。

まず結論

GPS の測位は、複数の衛星から届く電波の到達タイミングを比較して成り立っています。この電波が使っている周波数帯は、雲や雨、霧を通ってもほとんど減衰しません。頭上を嵐が通過しても、岩壁や建物、密な樹冠のような物理的な遮蔽物のように電波を弱めることはないのです。地図の上では、同じ道を歩いた場合、土砂降りの中で描かれた軌跡も晴天の中で描かれた軌跡も、だいたい同じ形になります。

とはいえ、天気が何も変えないわけではありません。間接的に変わるものが 3 つあります。気圧計による標高の読み、バッテリーの持ち、そしてもともと樹木で弱まっている電波を濡れた樹冠がさらに散らす度合いです。この 3 つはどれも、多くの人が「天気は GPS に影響するか」と聞くときに思い浮かべているものとは違います。

雲や雨が GPS の電波にほとんど影響しない理由

どちらも「信号」と呼ばれがちな、可視光と電波というまったく別のものを分けて考えると分かりやすくなります。曇り空が日射しを遮るのは、水滴が可視光を強く散乱させるからで、曇りの日の空が青ではなく灰色に見えるのはそのためです。GPS 衛星が発しているのは光ではありません。大気——雲や雨、ふだんの湿気を含めて——をほとんど吸収されずに通り抜けるように、いくつかの理由から選ばれた周波数の電波を発しています。太陽が雲に遮られて見えなくなるのとは違い、衛星が遮られているわけではなく、受信機がそもそも雲にあまり干渉されない波長を聞いているだけなのです。

これは直感に反することですが、身近な別のシステムには実際に雨で調子を崩すものもあるからです。一部の衛星テレビや衛星インターネットは、雨で目に見えて弱まるずっと高い周波数を使っていて、この現象には「レインフェード」という名前までついています。悪天候はこうしたサービスを本当に劣化させます。GPS はそれとは違う、大気中の水分にはるかに鈍感な低い周波数帯を使っているので、片方のシステムで培った直感がもう片方にそのまま通用するわけではありません。

天気が実際に変えるもの

気圧計による標高の読み

気圧センサーを内蔵したスマートフォンは、それを GPS と組み合わせて標高を滑らかにしています。このセンサーは気圧を測ることで動いているため、天気に本当に敏感です。気圧は、実際の高さとは無関係に天候で変わるからです。長い山行の途中で前線が通過すると、高さがまったく変わっていなくても、見かけの標高がそれなりに動くことがあります。これは本物の天気の影響ですが、標高の読みに属するものであって、GPS の位置の線には関係ありません。

寒さによるバッテリーの持ち

嵐と一緒にやってくることが多い寒さは、衛星の電波ではなく端末自体に効いてきます。電池は低温で使える容量が落ちるので、寒くて濡れた日はいつもより早く電池が減っているように見えることがあります。これは GPS の受信状態ではなく電池の性質によるもので、外側のポケットより暖かい場所に端末を入れておくと違いが出ます。

樹冠の下の濡れた葉

樹林帯に限っては、雨が測定できるほどの違いを生みます。濡れた葉は乾いた葉より、通過する電波を散らして弱める度合いが大きいからです。この効果が現れるのは、そもそも木々が関わっている場所だけです。仕事をしているのは樹冠であって、雨はすでにある遮蔽物をいくらか悪化させているにすぎません。雨が降っているというだけで、開けた空が単独で問題になることはありません。

思い込みはどこから来るのか

日常の他の場面から持ち越された考え方の癖が 2 つあります。1 つは「衛星電波」という言葉そのものに埋め込まれた視覚的なイメージです。実際の電波の伝わり方はビームとはまったく違うのに、雲が邪魔をするビームを思い浮かべてしまうのは自然なことです。もう 1 つは、悪天候のときに携帯電話の電波が調子を崩した実体験です。多くの場合、その原因は雨が電波を直接弱めることではなく、嵐の間に屋内にいてネットワークにつながる人が増えることや、地域の設備の問題だったりしますが、それが天気そのもののせいにされてしまいます。

GPS と携帯電話網は、たまたま同じスマートフォンの中に同居しているだけの、別々の仕組みです。世界の変化への反応の仕方もそれぞれ違います。一方は衛星を聞いていて天気の影響をほとんど受けません。もう一方は地上のインフラに依存していて、悪天候とたまたま重なるさまざまな要因の影響を受けますが、どちらの場合も「雨が電波を弱める」ことそのものが原因になっているわけではありません。

TrailCam でできること

TrailCam は、空模様がどうであってもバックグラウンドでルートを記録し続けます。天気が邪魔をするのは GPS の受信そのものではないからです。あとから表示される距離・ペース・高度プロフィールは、足元が乾いていても濡れていても同じ点から計算されます。ルートはあとから GPX 1.1 または CSV として書き出せます。ダウンロードは無料です。

よくある質問

雨が降るとスマートフォンは GPS の測位を取れなくなりますか?
なりません。GPS の電波は雨や雲、霧をほとんど減衰せずに通り抜けます。大気中の水分にあまり吸収されない周波数帯を使っているからです。同じ地形であれば、土砂降りの中で取った測位も、晴天の中で取った測位も、だいたい同じ精度になります。
嵐が通過したあと、標高の読みがおかしく見えるのはなぜですか?
GPS ではなく気圧センサーが原因である可能性が高いです。気圧センサーは気圧から高度を推定していて、気圧は実際の高さとは関係なく天候で変わります。じっと立っていても、前線が通過すれば読みが動くことがあります。
曇りは携帯電話の電波と同じように GPS にも影響しますか?
通常は違いますし、理由も別です。GPS は雲にほとんど影響されない周波数を使っています。悪天候での携帯電話網の不調は、雨が電波を直接弱めるというより、混雑や地上設備の問題であることが多いです。

自分のルートを記録する

TrailCam は iPhone 用の GPS ルート記録アプリです。動画・写真・音声メモを撮ったその地点に紐づけて保存し、GPX 1.1 または CSV で書き出せます。ダウンロードは無料です。

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