獲得標高のグラフがギザギザになるのはなぜか
記録したルートの下に出てくる標高グラフは、歩いていたときの感覚ほど滑らかな線にはならないことが多い。実際にはずっと同じ傾斜が続く一本道だったはずなのに、グラフのほうは細かい階段状に上下を繰り返す。この波打ちのほとんどは、記録が失敗したしるしではない。連続的に変わっていく地面の高さを、一点ごとに別々に測った標高の値をつないで描き直しているために起こることだ。
短く答えると
標高グラフは、ルート上の各地点で記録された高度を、順番につないで描かれている。そのひとつひとつの高度の値には、地面の実際の形とは関係のない、数メートル単位の誤差が独立して乗っている。その少しずつズレた点を何百も並べてつなぐと、実際には一本の坂道だった区間でも、線は滑らかに登るのではなく、細かい上下を繰り返しながら登っていくように見える。
ズレはどこから来るのか
高度を求めるのは、平面上の位置を求めるより難しい問題だ。緯度・経度は、空のあちこちに散らばった衛星からの信号を組み合わせて決めるため、比較的しっかり絞り込める。ところが高度のほうは、見えている衛星がすべて水平線より上、つまり限られた角度の範囲に固まっているという同じ条件下で求めるしかないので、もともと不安定な数字になりやすい。さらに周囲の地形や樹木、その瞬間に見えている衛星の数によっても精度は変わるため、ノイズの大きさそのものが一定ではなく、開けた場所で小さくなったかと思えば、少し先の木立の下でまた大きくなったりする。
この誤差は一度に大きく出るわけではない。1メートルほど上、次は1メートルほど下、というふうに小さなブレが点ごとに積み重なっていく。これがまさに、滑らかな坂をギザギザの線に変えてしまうパターンそのものだ。
ギザギザの一部は本物の起伏でもある
すべてが誤差というわけでもない。トレイルヘッドの看板や地図の等高線からは一本の緩やかな坂に見えるトレイルでも、実際の足元は完全に均一な傾斜であることはまれだ。木の根が張り出した区間、短い岩の段差、涸れ沢を渡るためのわずかなくぼみ、数メートルだけ下ってまた登り返すスイッチバックなど、地面そのものに本物の細かい起伏が含まれている。点の間隔が短い記録ほど、こうした本物の凹凸もGPSのノイズと一緒に拾ってしまうため、グラフを見ただけでは両者を切り分けるのは難しい。足元が実際に荒れているトレイルほど、たとえ高度の測定が完璧だったとしても、グラフ自体は荒れて見えやすい。
ギザギザのグラフからわかること・わからないこと
ギザギザした線は、記録が失敗したことや、そのルートが信頼できないことを意味しない。位置の軌跡そのものはまったく問題なくても、高度の列だけが独立して揺れることはよくある。この揺れは、実質的に平坦だった道で獲得標高が大きく出てしまう現象と同じ原因から来ている。獲得標高というのは、結局この線の中の小さな上りをひとつずつ足し合わせているだけだからだ。歩いた感覚より獲得標高の数字が大きいと感じたときは、別の問題を疑うより先に、標高グラフがギザギザしていないか見てみるとよい理由がここにある。
また、これは歩き方を工夫すれば避けられるものでもない。まったく同じ線をもう一度歩いても、その記録には記録なりの小さな上下のブレが独立して乗るので、場所こそ違えど、やはりギザギザした線になる。ズレの原因は測定そのものにあって、歩き方にあるわけではないからだ。
TrailCamでできること
TrailCamは、記録したすべてのルートについて、距離やペースの計算に使っているのと同じ点をもとに、標高グラフを地図の下に描く。ルートはGPX 1.1またはCSVとして書き出せるので、グラフをそのまま受け取るのではなく、その裏にある生の標高の値を自分で確認することもできる。書き出し機能は有料のTrailCam Proに含まれる機能で、アプリ自体はダウンロード無料。
よくある質問
- 標高グラフがギザギザなのは、記録の精度が悪いということですか?
- それだけでは判断できません。位置の軌跡そのものはまったく問題なくても、高度の値だけが独立して小さくブレることがあり、それがグラフをギザギザに見せています。
- 同じトレイルをもう一度記録すれば、グラフは滑らかになりますか?
- あまり期待できません。2回目の記録にも、それ自体の独立した小さな高度のブレが乗るので、上下する場所が変わるだけで、やはりギザギザした線になります。
- ギザギザなグラフは、獲得標高の合計にも影響しますか?
- ほとんどの場合、数字を大きくする方向に影響します。獲得標高はグラフの中の小さな上りをすべて足し合わせて出すため、線がギザギザしているほど、実際の登り以上の合計になりやすいからです。
自分のルートを記録する
TrailCam は iPhone 用の GPS ルート記録アプリです。動画・写真・音声メモを撮ったその地点に紐づけて保存し、GPX 1.1 または CSV で書き出せます。ダウンロードは無料です。