同じ山行なのに、アプリによって経過時間が違って出るのはなぜ?
経過時間には判断の入り込む余地がありません。閾値もなければ、動いていたかどうかの推測も、生の点からの再計算もなく、記録の終了時刻から開始時刻を引いただけの計算です。同じファイルを 2 つのアプリが違う数字で読むということが起こりようのない、単純な引き算です。それでも、2 台の端末で同時に記録した同じ山行の経過時間が、1 分か 2 分ずれて出てくることがあります。この 2 つの数字は同じ記録について食い違っているのではありません。それぞれが、別々の記録について正直に報告しているだけです。「同じ山行」は、実は別々にボタンを押して始め、別々にボタンを押して止めた、2 つの別の記録だったからです。
結論
1 つの GPX ファイルを書き出して、それを 2 つの別々のアプリやサービスで開いているだけなら、経過時間は必ず一致します。ファイルの中にすでに焼き込まれた 2 つのタイムスタンプを読んでいるだけで、タイムスタンプの読み取りでアプリ同士が食い違うことはありません。数字がずれるのは、もっとありふれた別の状況です。1 つの山行を、片方のアプリでもう片方のアプリでも、それぞれ別に記録し始めたという状況——新しいアプリを試すために使い慣れたアプリと並行して使った、あるいは一緒に歩いた相手にも記録してもらった、というような場合です。それぞれのアプリは自分自身の開始と自分自身の終了しか知らず、その 2 つの瞬間がぴったり同じ秒に重なる道理はもともとありません。
「同じ山行」には、まったく違う 2 つの意味がある
どちらが実際に起きたことなのかで、話はまったく変わってきます。
1 つの記録を、2 回開いた場合
山行を GPX ファイルとして書き出し、それを 2 つのサービスで開いた場合、どちらも同じファイルに入った、同じ開始と終了のタイムスタンプを読んでいます。ここには食い違いようのないものしかありません。経過時間は計算されているというより、そのまま写し取られているだけです。
1 つの山行を、2 回記録した場合
同じ山行を、2 つのアプリで同時に記録した場合には、共有されたファイルというものが最初から存在しません。それぞれのアプリが、自分自身の最初の点と自分自身の最後の点を持つ、自分自身のトラックを作っています。同じ出来事を独立に記録した 2 本の記録は、山行そのものは同じでも、記録としては別物です。
スタートがそろわない理由
2 台の端末で、あるいは 1 台の端末で 2 つのアプリの「開始」を続けてタップすることは、同時にやっているつもりでも実際には同時ではなく、タップの間の 1、2 秒のずれはそれ自体ではたいした問題になりません。もっと大きなずれは、タップしたあとに起きることから生まれます。ルートの記録は、端末が位置を確定できるだけの衛星を捕まえて初めて始まり、その捕捉にかかる時間は毎回同じではなく、ましてやアプリが違えば、その瞬間に空をどう見ているかも端末ごとに違います。ボタンを一緒に押していても、片方のアプリがもう片方より 10 秒や 20 秒早く点の記録を始めれば、それだけで経過時間の合計に差がつきます。
ストップがそろわない理由も同じ
山行の終わりにも、同じことが逆向きに起こり、こちらのほうが影響が大きいことが多いです。登山口に戻って、まず片方のアプリを止め、それからもう一方の端末を取り出し、画面を確認して、ようやくそちらも止める——その瞬間にどれだけ手がふさがっていたかによって、数秒から 1 分以上まで幅のある間が空きます。これはどちらのアプリの不具合でもありません。1 人が 2 台の端末を操作するにせよ、2 人がそれぞれの端末を操作するにせよ、2 つのことを同時にではなく、順番にやっているというだけのことです。
このずれは、山行が長くなっても大きくはならない
ここで知っておくと役立つのは、この種のずれが山行の長さに比例して大きくならないということです。開始で 30 秒、終了で 40 秒のずれがあれば、山行が 40 分でも 4 時間でも、合計はだいたい同じ 1 分ちょっとにしかなりません。これは、この原因を記録そのものの不具合と見分けるのに使える手がかりです。ずれの大きさがほぼ一定なら開始と終了のタイミングの問題、山行が長くなるほどずれが大きくなるなら、原因はまったく別のところにあります。
これだけでは説明がつかない場合
記録がそもそも 1 本しかなく——1 つの GPX ファイルを一度だけ書き出して、それを 2 か所で開いただけなのに経過時間が違って出るなら、ここまでの話はどれも当てはまりません。2 つ目の開始ボタンも、2 つ目の終了ボタンも存在しないからです。それなら疑うべきは別のことです。片方のサービスでタイムゾーンの扱いが揃っていないか、2 回見るあいだにファイルが編集されたのかもしれません。2 台で同時に記録したときと同じ、開始と終了のタイミングのずれという話にすぐ飛びつく前に、まず原因を見極める価値があります。
TrailCam の場合
TrailCam は、記録を始める前に十分な数の衛星を捕まえるまで待ちます。これはまさに、並行して記録している 2 本の記録を、開始の時点で少しだけずらしうる種類の遅れです。記録が始まったあとは、画面を消していてもほかのアプリに切り替えていても、ルートはバックグラウンドで記録を続け、表示される時間は行動時間として、自分で一時停止した分を除いたかたちで報告されます。アプリ自体のダウンロードは無料です。
よくある質問
- 2 つのアプリの経過時間に 1、2 分の差があるのは、何かがおかしいということですか?
- いいえ。2 つのアプリがそれぞれ自分の記録として同じ山行を記録していたのであれば、その程度の差はほとんどの場合、両方のアプリで開始と終了のボタンがぴったり同じ瞬間に押されなかったことに起因するもので、記録のどこかが失われたり数え間違えたりしたわけではありません。
- この開始・終了のタイミングのずれは、行動時間やペースにも同じように影響しますか?
- 多少は影響しますが、行動時間の食い違いはたいてい別の原因——どの区間を止まっていたと数えるかについて 2 つのアプリの判断が違うこと——のほうが大きく効いています。タップのタイミングのずれによる経過時間への影響は、通常はその副次的な要因にとどまります。
- 1 つの山行を 1 つの GPX ファイルとして書き出したのに、2 か所で開くとやはり経過時間が違って出るのはなぜですか?
- それは 2 台で同時に記録した場合とは別の状況です。その場合、存在する開始と終了のタイムスタンプはそれぞれ 1 つだけだからです。まずタイムゾーンの扱いを疑ってください。同じ UTC のタイムスタンプが、2 つの異なるローカルのオフセットで解釈されると、本来同じはずの数字が違って表示される、よくある原因になります。
自分のルートを記録する
TrailCam は iPhone 用の GPS ルート記録アプリです。動画・写真・音声メモを撮ったその地点に紐づけて保存し、GPX 1.1 または CSV で書き出せます。ダウンロードは無料です。