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同じ山行なのに、アプリによって行動時間が違って出るのはなぜ?

スタートと終了のタイムスタンプはただの事実なので、同じファイルを読む限り、どのアプリでも経過時間は必ず一致します。行動時間はまったく別の性質を持つ数字です。「山行のどの区間を止まっていたとみなすか」という判断が入っていて、その判断はファイルに触れるアプリごとに別々に行われます。同じ記録を 2 つのサービスに通すと、行動時間、そしてそこから出るペースが目に見えてずれるのはよくあることで、どちらかが間違っているわけではありません。

結論

行動時間の食い違いは、ほとんどの場合、実際に記録された内容の違いではなく、「止まっていた」とどう判定したかの違いから来ます。あるアプリは GPS の速度を見張っていて、ある閾値を下回った区間を自動で行動時間から差し引きます。別のアプリは自分で押した一時停止ボタンだけを信用します。あとからファイルを取り込むサービスは、記録アプリがすでに出した行動時間の数字を無視して、生の点データから自分の閾値で計算し直すこともあります。どれも「測定」ではなく「判断」であり、だからこそ何度やっても同じ数字にはなりません。

行動時間は測定値ではなく判断の結果

タイムスタンプは一度記録されれば、誰が読み返しても変わりません。行動時間はまったく違います。記録された点の並びをあとからたどり、区間ごとに「動いていたか、止まっていたか」を決めて初めて出てくる数字です。まったく同じ点の並びに違うルールを当てはめれば、2 つのアプリが違う合計にたどり着くのは自然なことで、どちらの合計もそれ自体としては十分に筋の通った読み方です。

自動検出と、自分で押す一時停止

大きく分けて 2 通りのやり方があり、それぞれ違う方向で判定を外します。

自動検出

GPS の速度を常に見張っていて、ある閾値を下回ると止まったとみなし、何もしなくても行動時間から自動で差し引くアプリがあります。便利ですが、その閾値自体が見当にすぎず、サービスごとに違う値を使っています。測位が少しぶれる場所でじっと立っていると、速度の表示がゆっくり上下し、あるアプリの閾値はちょうど超え、別のアプリの閾値はちょうど下回る、ということが起こります。片方は静かにその時間を行動時間に含めたまま、もう片方は差し引きます。

手動の一時停止

もうひとつのやり方は一時停止ボタンです。自分で押す手間はありますが、迷いがありません。いつ止まっていつ再開したか、速度の推測に頼らずに自分で直接伝えているので、アプリ側に判断の余地がないのです。

ルートを別のアプリに移すと何が起きるか

GPX のトラックポイントが持っているのは座標と、たいてい標高、そして時刻だけです。ある区間が「一時停止中」だったのか「移動中」だったのかを示す標準の項目は GPX にはありません。記録アプリがその判断をしていたとしても、ファイル自体はふつうその判断を持ち運びません。だからルートを書き出して別のアプリで開くと、そのアプリはファイルから行動時間の数字を読み取っているのではなく、タイムスタンプ付きの点の並びだけを見て、他のどんなファイルを開くときとも同じ自分のルールで「ここは動いていたか」をゼロから判定し直しています。再計算された行動時間は、最初の数字の「修正版」ではなく、最初のアプリが実際に知っていたはずのこと——あなたがいつ意図的に止まったか——にはアクセスできないまま出された、もう一つの独立した判断です。

短い停止の丸め方がアプリごとに違う

靴紐を結び直す、地図を確認するといった 20 秒ほどの立ち止まりは、「止まった」と数えるかどうかの境界にちょうど乗っています。検出した停止をどれだけ短くてもすべて差し引くアプリもあれば、10 秒や 15 秒に満たないものは測定のノイズに近いとみなして黙って無視するアプリもあります。どちらの選び方も間違いではありませんが、短い立ち止まりの多い山行では、それをすべて数えるアプリと、短いものを丸めて捨てるアプリとで、行動時間がはっきり違って出ることがあります。

ペースの食い違いは距離ではなくここに原因があることが多い

ペースは距離を時間で割った数字なので、距離がほぼ一致していても行動時間が食い違えば、そのままペースの食い違いになって現れます。同じ山行なのにペースの数字が違うのを見ると GPS の測位自体が違ったのではと疑いたくなりますが、原因は距離よりも手前にあることが多く、ほぼ同じ距離を、2 つのアプリが別々の時間で割っただけということが少なくありません。

本来は一致するはずの数字

経過時間には判断の余地がありません。終了のタイムスタンプから開始のタイムスタンプを引いた、それだけの計算で、同じファイルを見ている 2 つのアプリがそこで食い違う理由はないはずです。もし同じ記録を見ているのに経過時間まで違って出るなら、それは停止判定の違いではなく、タイムゾーンの扱いが揃っていないとか、途中でファイルが編集されたといった、別の原因を疑うべきです。

つまずきやすいところ

  • 行動時間が 10 分違うのを見て、どちらかのアプリが記録の一部を取りこぼしたと考えてしまう——たいていはデータが欠けたのではなく、どの区間を「動いていた」と数えるかについて 2 つのアプリの見解が違うだけ。
  • 行動時間が一致しているか確かめずに、2 つのアプリのペースだけを比べてしまう——距離が一致しているのにペースが違うなら、原因はほぼ間違いなく GPS の軌跡ではなく時間のほうにある。
  • 再度取り込んだ GPX ファイルに、元の行動時間がそのまま引き継がれると思い込む——ファイル自体はその数字を保存していないので、取り込んだアプリは自分のルールでゼロから計算し直している。
  • 再計算された行動時間のほうが、山行中にリアルタイムで表示されていた数字より正確だと考えてしまう——正確さが増したわけではなく計算のやり方が違うだけで、しかも実際に一時停止と再開をその場で見ていたアプリより、持っている情報は少ない。

TrailCam の場合

TrailCam は GPS の速度から推測するのではなく、自分で押す一時停止ボタンから行動時間を出すので、山行のあとに表示される数字は、実際に一時停止を選んだ区間をそのまま反映していて、それ以上でもそれ以下でもありません。ルートは GPX 1.1 または CSV で書き出せます。CSV のサマリーには行動時間とペースの数字が距離・獲得標高と並んで残るので、次にどのアプリでファイルを開いても計算し直されることなく、数字そのものが山行と一緒に持ち運ばれます。書き出しは任意の TrailCam Pro の機能で、アプリ自体のダウンロードは無料です。

よくある質問

どちらのアプリの行動時間が正しいのですか?
たいていはどちらがより正しいということはありません。行動時間はどの区間を止まっていたと数えるかを決めて出す数字で、アプリごとに自動の速度閾値、自分で押す一時停止、取り込み後の再計算といった違うルールを使います。違う結論になること自体が、それぞれ筋の通った結果として普通に起こります。
距離は一致しているのに、別のアプリだとペースが違って見えるのはなぜですか?
ペースは距離を時間で割った数字なので、距離が一致していてペースが違うなら、原因は行動時間の側にあります。ペースの数字を比べる前に、それぞれのアプリが同じ区間を止まっていたと数えたかどうかを確認してみてください。
GPX に書き出せば、アプリが計算した行動時間も一緒に保存されますか?
いいえ。GPX のトラックポイントが持つのは座標・標高・時刻で、その瞬間が移動中だったか停止中だったかを示す標準の項目はありません。あとでそのファイルを開くアプリは、ファイルから数字を読み取るのではなく、行動時間をゼロから計算し直します。

自分のルートを記録する

TrailCam は iPhone 用の GPS ルート記録アプリです。動画・写真・音声メモを撮ったその地点に紐づけて保存し、GPX 1.1 または CSV で書き出せます。ダウンロードは無料です。

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