TrailCam

ガイド

一年間の獲得標高を合計する方法

手順としては、このガイドの中でいちばん簡単な部類に入ります。履歴を CSV で書き出し、獲得標高の列を合計するだけです。立ち止まって考える価値があるのは、その合計が実際には何でできているかという部分です。1回の山行の獲得標高は、もともとブレのある高度の読み取りから作られた推定値で、それを40回、50回と足し合わせても、思っているようにはブレが打ち消し合いません——むしろ積み重なります。だからといって年間の数字が使い物にならないわけではありません。ただ、年間の距離合計とは少し違う読み方をしたほうがいい、というだけの話です。

結論から

記録した履歴を CSV で書き出し、表計算ソフトで開いて、獲得標高の列を距離のときと同じように合計します。書き出しにハイキング以外の種目も混ざっているなら、先に種目の列で絞り込めば、ハイキングだけの合計になります。手順自体は年間の距離合計とまったく同じで、違うのはどの列を足すかだけです。

獲得標高が、足し合わせ始めると距離と違う振る舞いをする理由

1回の山行の獲得標高は、山頂の標識から読み取った数字ではありません。記録された点ひとつひとつの標高を、直前の点と比べて、上がった分だけをすべて足し合わせ、下がった分は無視して作られています。GPS の高度は GPS の位置よりブレが大きくなります。高さを求めるのに使う衛星の配置が、位置を求めるときほど都合よく空に散らばっていないためです。そのブレは、実際の標高が変わっていないときでもわずかに数値を上下させますが、合計は比較のうち上がった分しか数えないので、そのブレは平均してゼロにはならず、山行のたびにほんの少しだけ合計を高い方に押し上げます。

距離には同じ問題がありません。GPS の位置は GPS の高度より正確に測れますし、小さな位置のブレはルート全体でならすとおおむね打ち消し合い、一方向に積み上がることはありません。つまり年間の距離合計は、それぞれがわりと安定した数字を足しているのに対し、年間の獲得標高合計は、それぞれがほんの少し一方向に偏った数字を足していることになります。どちらの合計も間違ってはいません。ただ獲得標高のほうが、少し不安定な材料から作られていて、それが多くの山行をひとつの年間合計にまとめるほど目立ってくる、というだけです。

これが実際に意味すること、意味しないこと

年間の獲得標高を疑って捨てるべきだという意味ではありません。1年分の本物の登り——夏じゅう歩いた稜線、繰り返し登ったつづら折り——は、1回の山行の本物の獲得標高がそうであるように、1山行あたりの小さなブレをはるかに上回ります。意味するのは、年間の獲得標高は「かなり正確な目安」として読むのが向いていて、数十メートル単位の違いを比べるための数字ではないということ、そしてよく似た2つの年のどちらがより多く登ったかを、この数字だけで決着させるのには向いていないということです。

また、アプリが古い山行を再計算したあとに書き出し直すと、年間合計は少しずれることがあります。別のアプリで同じ履歴を書き出したときも同様です。何かが失われたわけではなく、獲得標高はもともと推定値で、同じブレのある入力に対する推定の仕方がアプリごとに違うだけです。同じ仕組みを1回の山行というより小さな規模で扱っているのが、同じ山行なのにアプリごとに獲得標高が違って出る理由についてのガイドです。

合計を出し、意味のある形に切り分ける

列を合計する

Excel でも Numbers でも Google スプレッドシートでも、獲得標高の列に SUM を使えば、20 回分でも 200 回分でも一度に合計できます。年間の生の数字を出すだけなら、先に何かを分ける必要はありません。

種目や月で絞り込む

種目の列にフィルタをかければ、同じ履歴の中にライドやランが混ざっていても合計をハイキングだけに絞れます。日付の列で絞り込めば、同じ表計算とその同じ合計列を使って、特定の季節や月に絞れます。

並べ替えて、実際に登った日を見つける

足し合わせる代わりに獲得標高で行を並べ替えると、年間の登りの大半を作った数回の山行——たいてい長い日や急な日が数回あるだけで、全ての山行に均等に分散しているわけではない——が見えてきます。この形は、単一の合計そのものより気づく価値があることが多いものです。

つまずきやすいところ

  • 年間の獲得標高合計が、年間の距離合計と同じくらい正確だと期待してしまうこと——2つはもとになるデータの質が違い、獲得標高は1回の山行でも年間の合計でも、もともとブレの大きいほうです。
  • 同じ1年を書き出し直したら合計が少し変わっていて驚いてしまうこと——それはデータが消えたのではなく、同じ推定が計算し直されているだけです。
  • 合計の差が、実際の登りの違いなのかブレの範囲内なのか判断がつかないくらい2つの年が近いのに、どちらがより多く登ったかを決めようとしてしまうこと。
  • 書き出しを使わず、個々の山行の一覧を目で足し算してしまうこと——何十件もの数字を暗算で足す誤差は、獲得標高のブレよりずっと大きくなります。

TrailCam でできること

TrailCam はルートの履歴全体を一度の操作で 1 本の CSV ファイルとして書き出せます。獲得標高は距離・時間・ペースと並んで山行ごとに計算済みで、各行には種目も入っているので、ハイキングだけの合計は絞り込み一つで出せます。ルートの形そのものが必要になれば、同じ履歴を GPX 1.1 で書き出すこともできます。書き出しは任意の TrailCam Pro に含まれる機能で、アプリ自体のダウンロードは無料です。

よくある質問

年間の獲得標高合計は、年間の距離合計と同じくらい信頼できますか?
かなり正確な目安、というくらいに考えるのが向いています。獲得標高は GPS の位置より高度のブレの影響を受けやすく、合計は上がった分しか数えないので、そのブレは山行のたびに数字をわずかに高めに寄せます。それが年間を通じて積み重なり、打ち消し合うことはありません。
履歴をあとで書き出し直すと、年間の獲得標高合計は変わりますか?
計算がやり直されると、少し変わることがあります。獲得標高はファイルから読み取る固定値ではなく推定値だからです。同じ山行を別のアプリで見ると獲得標高が少し違って出るのと、同じ理由です。
1年分の登りを合計するのに、ルートを1本ずつ開く必要がありますか?
ありません。CSV のサマリー書き出しなら、獲得標高が計算済みの状態で1行に1山行がまとまっているので、その列を SUM するだけで、何十本ものルートを個別に開いて読む作業が要らなくなります。

自分のルートを記録する

TrailCam は iPhone 用の GPS ルート記録アプリです。動画・写真・音声メモを撮ったその地点に紐づけて保存し、GPX 1.1 または CSV で書き出せます。ダウンロードは無料です。

App Store でダウンロード