複数の山行をまとめた平均ペースの正しい出し方
何回かの山行をまとめた平均ペースは、それぞれの山行のペースを足して回数で割ったものではありません。すべての山行の距離を先に合計し、すべての山行の行動時間を先に合計してから、最後に一度だけ割り算するのが正しいやり方です。ペースの数字どうしを平均すると、山行の長さに関係なくどの山行にも同じ一票を与えてしまい、短い山行のほうへ結果が静かに引っ張られます。
まず結論
すべての山行の距離を足し合わせ、すべての山行の行動時間を足し合わせ、片方をもう片方で割る。この一回の割り算が、その山行全体を通した平均ペースです。1 回の山行の平均ペースを「総距離 ÷ 総行動時間」で出すのと同じ計算を、複数の山行の積み重ねに対して一度だけ行うということです。
ペースの数字を平均すると起こること
たとえば、ある山行が 3 km を 30 分で歩いたとして、ペースは 1 km あたり 10 分。別の山行が 12 km を 3 時間で歩いたとして、ペースは 1 km あたり 15 分。この 2 つのペースを足して 2 で割ると、1 km あたり 12.5 分になります。しかし実際に起きたことを見ると、合計 15 km を 3 時間 30 分で歩いたことになり、これは 1 km あたりちょうど 14 分です。
12.5 分と 14 分のこの差は、丸め誤差ではありません。短い山行が、距離にして 4 倍、時間にして 6 倍もある長い山行とまったく同じ一票を持ってしまっていることが原因です。ペースの数字を平均する方法は、その中身にどれだけの歩行が含まれているかにかかわらず、どの山行も同じ 1 単位として扱ってしまいます。だから短くて速い山行がいくつか混じるだけで、実際に歩いていた時間の総量からは説明できないほど速い数字に、平均全体が引っ張られることがあります。
逆方向にも同じ罠がある
逆のことも起こります。短くて楽な山行がいくつかと、長くてゆっくりした一日が一つ混ざっていると、ペースの数字を平均するやり方は結果を短い山行のペースへと引っ張り、実際に足を動かしていた総時間が示すよりも、全体が速かったように見せてしまいます。どの山行の数字も、それ単体では間違っていません。この歪みは、大きさの違う複数の山行を、同じ大きさであるかのように平均してしまったときにだけ現れます。
どちらの時間を足すべきか
足すべきは行動時間であって、経過時間ではありません。1 回の山行のペースが時計の時間ではなく行動時間から計算されているのと同じ理由です。経過時間には、休憩や景色を眺めた時間、地図で道を確認した時間など、立ち止まっていた時間も含まれます。これを複数の山行の合計に混ぜてしまうと、実際の歩く速さとは関係のない理由で、合計されたペースが「遅い」方向へ引っ張られてしまいます。それぞれの山行から足すのは行動時間で、経過時間ではありません。
単位をそろえること
合計する前に、すべての山行の距離を同じ単位にそろえる必要があります。km なら km、マイルならマイルで統一し、両方を混ぜないこと。単位が混ざったまま合計すると、出てくるペースの数字には意味がなくなります。時間についても同じで、時間と分が混ざった表記を目分量で足すのではなく、すべて分に、あるいはすべて時間に変換してから合計します。
TrailCam の場合
TrailCam は山行ごとの距離と行動時間を記録し、履歴全体を CSV ファイルとして書き出すことができます。1 回の山行が 1 行になった形式です。この計算をするなら、そこから始めるのが一番簡単です。距離と行動時間の列を表計算ソフトでそのまま合計し、最後に一度だけ割り算すればよく、山行ごとのペースの数字をひとつずつ書き写して平均する必要はありません。CSV の書き出しは、任意の TrailCam Pro に含まれる機能です。アプリ自体のダウンロードは無料です。
よくある質問
- ペースの数字を単純に平均しても、十分近い値になることはありますか?
- 山行どうしの長さが近いほど、近い値になります。すべての山行がだいたい同じ距離・同じ行動時間であれば、ペースの数字を平均した値と、距離÷時間で出した本当の平均は近い値になります。差が開くのは、山行の大きさに大きなばらつきがあるときだけです。そのときにこそ、すべての山行を同じ重みで扱うことが、実際の歩行量を正しく表さなくなります。
- km とマイル、どちらを使っても構いませんか?
- すべての山行で同じ単位を使ってさえいれば、どちらでも構いません。合計の途中で単位が混ざる——一部は km、一部はマイル——と、出てくる距離の合計、ひいてはペースの数字が、現実とは対応しないものになってしまいます。
- 一時停止していた時間は合計に含めるべきですか?
- いいえ。この計算で使う時間の合計は、すべての山行の行動時間を足したものにします。1 回の山行のペース自体が一時停止していた時間を除いて計算されているのと同じ考え方です。経過時間を含めてしまうと、立ち止まっていた時間まで、測ろうとしているペースの一部として数えてしまうことになります。
自分のルートを記録する
TrailCam は iPhone 用の GPS ルート記録アプリです。動画・写真・音声メモを撮ったその地点に紐づけて保存し、GPX 1.1 または CSV で書き出せます。ダウンロードは無料です。