ダークテーマにすると、山行中のバッテリーは本当に節約できるのか
場合によります。しかも効果があるのは、画面が実際に点いている時間だけです。ダークテーマに効果があるかどうかは、その端末の画面そのものの作りで決まります。効果があるとしても、それは「画面を見ていた数分間」に対する節約であって、その下で静かに続いている GPS 記録の何時間ぶんにも及びません。この二つはまったく別の消費で、ダークテーマが触れられるのは片方だけです。
端的な答え
ダークテーマは、画面が点いている間の消費を減らせることがありますが、その大きさは画面のハードウェア自体で決まり、しかも画面が実際に点いているときにしか効きません。GPS 受信機には何の関係もなく、画面にどんな色が出ていようと同じペースで位置を記録し続けます。山行の大半で画面が消えているなら、ダークテーマは消費全体の小さな一部を、さらに小さくするだけの話です。
ダークテーマが本当に効く理由
画素の一つひとつが自分で光を出すタイプの画面では、黒い画素は「暗く光っている画素」ではなく「消えている画素」です。光を出していない場所は、電力も使っていません。こういう画面で暗めの画面構成にすると、文字とアイコンとルートの線だけが光り、それ以外の大部分の画素は電流を流していない状態になります。これは気分の問題ではなく、その画面が光をつくる仕組みそのものから来る、実際に測れる節約です。
効かない画面もある理由
別の作りの画面では、パネル全体の裏に一枚のバックライトがあり、それが画面の明るさに応じてずっと光り続けています。手前の画素の層は、その光を通すか遮るかを決めているだけです。この作りの画面で黒を表示しても、何かの電源が切れるわけではありません。バックライトがすでに出している光を、ただ遮っているだけです。バックライト自身は、いま何色が表示されているかを気にしません。この作りの画面では、ダークテーマは見た目を変えるだけで、画面の実際の消費は変わりません。
山行のどの場面で実際に効いてくるか
ルートの記録は、画面にどのテーマが出ているかを気にしませんし、画面が消えたからといって止まるものでもありません——バックグラウンドで記録を続けられることこそが、記録アプリの前提です。だから、スマートフォンがポケットに入って画面が消えている長い時間帯には、ダークテーマが節約できるものはそもそもありません。実際に差が出るのは、画面が点いている数分間——距離やペースをちらっと確認する、写真や動画、音声メモを撮る、帰ってから保存したルートを再生する、といった場面です。iPhone の GPS 記録でどれだけ電池が減るかを扱った別の記事でも触れているとおり、画面はスマートフォンの中で最大の消費源です。ダークテーマは、その画面という一つの費用を小さくする方法であって、隣にある GPS の費用には触れていません。
日差しの下では、テーマより明るさのほうが効くことが多い
屋外では、画面は暗い部屋ではなく太陽と張り合っていることが多く、自動輝度調整はそれに応えて画面をいちばん明るい設定に近づけ、地図を読める状態に保ちます。明るい画面は、どちらのテーマだろうと暗い画面より消費が大きく、日なたの尾根では、その明るさぶんの消費が、下で節約できているはずのダークテーマぶんより大きくなることもあります。ダークテーマと輝度を下げることは、同じ問題を奪い合う二つの対策ではなく、足し合わさるものです。ただし、たいていは輝度のほうが効いています。
誤解しやすいこと
- ダークテーマにすれば GPS の電池消費も遅くなると思い込む——受信機の消費は画面にどんな色が出ているかとは無関係なので、まったく影響しません。
- どの端末でも同じだけ効果があると思い込む——効果の大きさは、その画面がどうやって光をつくっているかで決まり、画面によってはダークテーマにしても消費は変わりません。
- ダークテーマと低電力モードを同じものだと思い込む——低電力モードはバックグラウンドの動作や画面のリフレッシュをシステム全体で抑えるもので、テーマはアプリの画面のどの画素が光っているかだけを変えます。
- 画面がほとんど消えている山行で、大きな節約を期待してしまう——テーマが節約できるのは画面が実際に点いている数分間だけで、画面を消したまま記録を続けるアプリでは、そもそも節約できる場面自体がわずかしか残っていません。
TrailCam との関係
TrailCam には、火山をイメージした黒いダークテーマと、白を基調にしたテーマを含む 4 種類のテーマがあり、画面を消していても、ほかのアプリを開いていても、ルートの記録はバックグラウンドで続きます。この組み合わせのもとでは、ダークテーマが本領を発揮するのは山行全体ではなく、記録画面を実際に開いている数分間——地図を確認する、写真や動画、音声メモを撮る、あとからルートを再生する、といった場面です。TrailCam はダウンロード無料です。
よくある質問
- ダークテーマにすると GPS のバッテリー消費は遅くなりますか?
- いいえ。位置情報の記録は画面の表示とは無関係に動いているので、テーマを変えても影響はありません。ダークテーマの節約効果は、あくまで画面自体にとどまります。
- どの iPhone でもダークテーマでバッテリーが節約できますか?
- 画面がどうやって光をつくっているかによります。画素ごとに自分で光る画面では、暗い画面構成が実際の節約になります。裏に一枚のバックライトを持つ画面では、その上に何色を出そうとバックライト自体の消費は変わらないため、節約にはなりません。
- 山行中のバッテリー節約には、ダークテーマと低電力モードのどちらが効きますか?
- 役割が違います。低電力モードはバックグラウンドの動作や画面のリフレッシュをスマートフォン全体で抑えるもので、ダークテーマは画面が点いている間の消費だけを変えます。両方使えば、それぞれ別の部分から節約できます。
自分のルートを記録する
TrailCam は iPhone 用の GPS ルート記録アプリです。動画・写真・音声メモを撮ったその地点に紐づけて保存し、GPX 1.1 または CSV で書き出せます。ダウンロードは無料です。