登った標高は、ハイキングの距離に含まれているのか
含まれていません。最後に表示される距離は、地面の上をどれだけ進んだかであって、どれだけ登ったり下ったりしたかではないからです。2 km の道のりで 300 m 登っても、その道が真っ平らだった場合と同じ「2 km」という数字が出ます。きつい登りを歩き終えた脚にはそれが物足りなく感じられるかもしれませんが、これは計算ミスでも機能不足でもありません。距離と獲得標高は、同じ記録データの別々の部分から作られていて、あえて一つにまとめられていないのには理由があります。
まず結論
記録された一つ一つの地点には、緯度・経度・標高の三つの値が付いています。距離は、そのうちの緯度と経度だけから計算されます——ある地点から次の地点までの水平方向の間隔を、ルート全体にわたって足し合わせたものです。標高がこの計算に入ってくることはありません。獲得標高のほうは標高の値だけを使い、ある地点の標高を一つ前の地点と比べて、上がった分だけを積み上げていきます。二つの数字は、同じ記録の別々の列からそれぞれ計算されていて、一つの数字にまとめられることはありません。
距離が「平らな地図の上」で測られる理由
厳密に言えば、坂道を実際に歩いた距離は、同じ二地点を結ぶ平らな地図の上の距離より少しだけ長くなります。坂は三角形の斜辺にあたり、斜辺は必ずその下にある底辺より長いからです。ただ、ふつうのハイキングで出会う勾配では、この差はごくわずかです。歩いていて「これは登りだ」と実感するくらいの 10% の勾配が続いたとしても、実際に歩いた距離が平らな地図の上の距離より伸びるのは、せいぜい数パーセントほどです。TrailCam を含む一般的な山行記録アプリが報告する距離は、この斜辺の分をあえて計算に入れない、平らな地図の上での距離です。ふつうの勾配ではその差がわずかであることに加えて、GPS の座標から計算する水平距離が、GPX を扱うさまざまなアプリのあいだで共通して使われている考え方だからです。これがあるからこそ、一つのアプリで記録したルートが、別のアプリでも同じように読めて比べられます。
なぜ二つの数字はあえて分けられているのか
登った分を距離に混ぜ込んでしまうと、距離という数字そのものが地形の形によって変わってしまいます。同じ 2 km の往復でも、稜線を越えるルートと平らなルートとで違う長さとして表示されることになり、それでは距離の数字が本来担うべき役割——一つのルートと別のルートを比べる基準になること——が壊れてしまいます。二つの数字を分けておけば、平らな 5 km の道と、実際にきつい登りを含む 5 km の道は、同じ距離として素直に認識でき、後者を歩くのが大変だった理由は、距離にこっそり上乗せされるのではなく、獲得標高という別の数字に正直に表れます。
分けておくことにはもう一つ利点があり、一方がもう一方の代わりを務めるのではなく、二つを並べて読めるようになります。距離はどれだけ進んだかを、獲得標高はそれを進むのにどれだけ登ったかを、それぞれ答えてくれる数字で、この二つから割り出す勾配は、その登りが実際にどれくらい急だったかを教えてくれます。
実際に急な山行だとどう見えるか
同じ GPS 座標をたどる、きつい登りの道と穏やかな道は、まったく同じ距離として表示されます。距離はもともと坂の傾きを読んでいないからです。この二つのあいだで変わるのは獲得標高の数字と、そこから計算する平均勾配のほうで、どちらも距離が一切見ていない標高の列から来ています。距離の数字から受ける印象より実際にはずっとつらかった山行は、距離が間違っているのではなく、そのつらさのほとんどが獲得標高という別の数字のほうに現れている、ということです。
つまずきやすいポイント
- 急な山行のほうが、同じ座標を通る平らな山行より距離が長く表示されるはずだと考えてしまう——距離は決まって水平方向で計算され、標高を読むことはありません。
- 距離の数字が思ったより小さいのを見て、獲得標高の計算がどこかで漏れていると考えてしまう——そもそも二つの数字は一度も合算されたことがないので、漏れるような処理自体が存在しません。
- 近所の平らな散歩道と山道の距離を比べて、「山道はそれほど遠くなかった」と結論づけてしまう——比較から抜け落ちているのは、すぐ横に並んでいる獲得標高の数字であって、どちらかの数字が間違っているわけではありません。
- 距離の数字だけを見て、その山行がどれくらいきつかったかを判断しようとしてしまう——実際に地面がどれだけ急だったかを表すのは、距離と獲得標高を組み合わせて出す勾配のほうです。
TrailCam の場合
TrailCam はルート上のすべての地点について緯度・経度・標高を記録し、距離・獲得標高・行動時間・ペースをそれぞれ別の数字として報告します。一方をもう一方に混ぜ込むことはありません。だからこそ、急な登りは距離の数字をこっそり膨らませるのではなく、再生したルートの下に描かれる高度プロフィールに、そのまま正直に表れます。TrailCam のダウンロードは無料です。
よくある質問
- たくさん登った山行なのに、距離が思ったより伸びないのはなぜですか?
- 距離は、記録された各地点の水平方向の位置から計算されていて、標高は関係しないからです。同じ座標をたどる急な道と平らな道は同じ距離として表示され、登った分は別の数字である獲得標高のほうに表れます。
- 獲得標高が距離の合計に足し込まれることはありますか?
- ありません。距離は各地点の水平位置から、獲得標高は標高の値から、それぞれ別々に計算されていて、一つの数字にまとめられることは一度もありません。
- 距離に含まれていないなら、その山行がどれくらい急だったかはどう分かりますか?
- 距離と獲得標高から平均勾配を計算してみてください。その山行が実際にどれくらい急だったかを教えてくれるのは、距離だけの数字ではなく、この勾配の計算です。
自分のルートを記録する
TrailCam は iPhone 用の GPS ルート記録アプリです。動画・写真・音声メモを撮ったその地点に紐づけて保存し、GPX 1.1 または CSV で書き出せます。ダウンロードは無料です。