TrailCam

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立ち止まっているのに距離が増え続けるのはなぜ?

展望台での休憩、昼食、分岐点での待ち合わせ——歩みを止めたのに、あとで見ると距離の合計はわずかに増えている。これはスマートフォンの故障でもアプリの不具合でもありません。GPS が本来あまり得意ではないこと、つまり「同じ地点をもう一度、寸分違わず報告する」ことを求められた結果です。

結論から言うと

GPS の測位はどれも完璧には一致しません。同じ場所に立っていても、毎回の測位はゼロから計算し直されるため、直前の点から一、二メートル、時にはもっとずれた位置が返ってきます。軌跡は連続する点どうしの直線距離を足し合わせて作られるので、「動いていないのに測位がぶれた」のか「一メートル歩いた」のかを区別できません。数分の間に小さなぶれが何十方向にも重なると、一歩も歩いていないのに数えられる距離として積み上がります。

これは普通の GPS のばらつきであり、記録の不具合ではありません。数分の休憩でこの影響が全体の合計を大きく動かすことも、ほとんどありません。

動いていないのに、なぜ動いたような位置が返るのか

GPS の位置は、複数の衛星から届く電波の到達時刻の差から逆算して求めます。この計算は、そのとき見えている衛星の顔ぶれ、それぞれの電波の強さ、そして電波が遮る物なく届いたか、それとも何かに反射してから届いたか(マルチパスと呼ばれる現象で、岩壁や樹木、建物のそばで起きやすい)に左右されます。あなたが動かなくても、これらの条件は動いています。衛星は空を移動し、さっきまで澄んでいた電波が近くの岩の反射を拾うこともあり、受信機はそのたびに一から計算をやり直します。結果として「今どこにいるか」という同じ問いに対して、毎回わずかに違う答えの集まりが返ってきます。

見晴らしの良い場所ではこのばらつきの幅は狭く、谷筋や木陰では空の見え方が悪くなる分、同じ十分間の休憩でも影響がやや目立ちやすくなります。

実際にどれくらいの距離が加算されるのか

決まった数字はありません。その場所の電波状況と、どれだけ長く立ち止まっていたかで変わります。目安としては、数メートル単位でぶれる測位が数分間、一、二秒おきに記録され続けると、動き出すまでに数十メートル程度の見かけの距離が積み上がることがあります。リアルタイムで数字を見ていれば気づく程度で、数キロメートルの合計に影響するほどではないのが普通です。

一つの外れ値と同じ理由で、全体の合計にはあまり効いてきません。長い山行は数千点からできていて、ぶれが起きた短い区間はそのごく一部でしかないからです。目立ちやすいのは、短いルートや、長い休憩を何度も挟んだルートで、ぶれの区間が合計に占める割合が大きくなる場合です。

アプリによって対応が違う理由

これを気にする記録アプリは、二つのやり方のどちらかで対策しています。一つは GPS の速度を見て、一定のしきい値より遅ければ静止中とみなし、距離を積まないようにする方法。もう一つは、止まったら自分で一時停止を押してもらう方法で、こちらは記録そのものが止まるので、ぶれが入り込む余地がありません。

速度によるしきい値は完璧な解決策ではありません。しきい値を低く設定すれば、本当に静止しているときのぶれがすり抜けてしまいますし、高く設定すれば、荒れた地形をゆっくり歩く本物の移動を「動いていない」と誤判定してしまいます。GPS の信号だけに推測させるより、止まったことを自分でアプリに伝える一時停止のほうが、きれいな数字になりやすいのはそのためです。

この数字をどう扱えばいいか

休憩中に距離がじわじわ増えるのは、追いかけて原因を探すようなことではありません。測量用の車輪ではなく電波で位置を測っている以上、当然払うことになる代償です。普通の長さの山行なら、距離の合計はメートル単位で正確というより、小さな誤差の範囲で正確だと考えたほうが、体感に近い数字として扱えます。

一方で、静止中にじわじわではなく、一回の更新で数百メートルという大きな跳躍が起きた場合は話が別です。地図上の目立つスパイクを生む単発の悪い測位と同じ種類の問題で、こちらは見過ごさず確認する価値があります。

TrailCam ではルートを一時停止し、あとで再開できます。一時停止していた時間は行動時間に含まれないので、長い休憩が軌跡に距離を積み増すこと自体を、そもそも起こさないようにできます。

よくある質問

しばらく立ち止まっているだけで、本当に距離が増えるのですか?
多少は増えます。GPS の測位は静止中でも一、二メートル単位でぶれ、軌跡はその点どうしの距離を足し合わせるので、動いていないことまでは判断できません。短い休憩であれば、山行全体の距離に対する影響はふつう小さなものです。
止まるたびに一時停止したほうがいいですか?
長い休憩で距離が積み増されるのを確実に防ぐには、一時停止が一番確実です。短い休憩であれば、ぶれの量自体が小さいので、そのたびに操作する必要はあまりありません。
地図上の一つの大きなスパイクとは何が違うのですか?
スパイクは一つの点が実際の位置から大きく外れ、地図上に鋭い三角形を作るものです。静止中のぶれは、実際の位置から数メートル以内をふらつく、見た目には何の問題もない点が数多く連なるもので、距離は一気にではなく静かに積み上がっていきます。

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TrailCam は iPhone 用の GPS ルート記録アプリです。動画・写真・音声メモを撮ったその地点に紐づけて保存し、GPX 1.1 または CSV で書き出せます。ダウンロードは無料です。

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