TrailCam

ガイド

同じトレイルなのに、歩くたびに距離が変わるのはなぜ?

何度も歩いている周回コースを、同じスマホを同じポケットに入れて記録しているのに、出てくる距離は毎回微妙に違う——ある週は8.2km、次の週は8.6km、その次は8.3km。トレイルの長さが変わっているわけではない。毎回変わっているのは、その日たまたま記録されたGPS位置の並びのほうで、距離はその並びだけから計算されている。トレイルそのものから直接測っているわけではない。

結論

登山アプリはトレイルそのものを測っていない。歩いている間にたまたま記録できた位置の並びを測り、隣り合う点どうしの直線距離を全部足し合わせているだけだ。同じトレイルを2回歩いても、記録される点の並びは毎回微妙に違う——地面が変わったからではなく、GPSの位置には常に数メートルのブレがあり、そのブレがどちら向きに出るかはほぼその場その場の巡り合わせだからだ。並びが少し違えば、合計も少し違ってくる。まったく同じ道を歩いたつもりでも、これは避けられない。

同じトレイルの2回の記録が数パーセントずれるのは、ごく普通のことだ。どちらかの記録が間違っているわけではないし、もっと良いスマホやアプリを使えば消える種類のズレでもない。これは信号そのものの性質から来ていて、記録の仕方の欠陥ではない。

そもそも、まったく同じ線を2回歩くことはできない

この話は、GPSの誤差だけの問題でもない。歩いている本人の足取りも毎回違う。幅のあるトレイルのどちら側を歩くか、岩をどちら側からよけるか、スイッチバックをどれくらい大きく回るか、すれ違いのために少し道を譲るか——こうしたことは、目をつぶっても歩けるようなコースであっても、毎回まったく同じにはならない。道幅が2メートルあれば、その中でわずかに違う線を毎回歩くことになり、それぞれの線はわずかに違う長さを持つ。ここで生じる違いは測定のノイズではなく、実際に歩いた距離そのものの違いであり、どれだけGPSの精度が上がっても消えるものではない。

GPSのブレが、その日ごとに違う量のジグザグを足す

それに加えて、記録される位置は毎回、実際の位置から数メートルずれている。そのずれる向きは、衛星の動きやその場での電波の反射のしかたによって、瞬間ごとに変わっていく。少しずつブレのある点どうしの間隔を全部足し合わせると、実際に歩いた直線的な道のりより、いつも少し長めの数字になる。2点の間を結ぶジグザグした線は、その2点を結ぶ直線より短くなることはなく、長くなるか同じになるかのどちらかだからだ。

どれくらい長くなるかは、その日ごとに条件が違うので、毎回変わってくる。空がどれだけ開けていたか、見えていた衛星の数、コースの一部が樹林帯やビルの間を通っていたか、その日スマホがポケットの中でどう入っていたか——こうした条件がまったく同じ形で2回そろうことはないので、上乗せされるジグザグの量もそのたびに違ってくる。

数字で見てみる

例えば、測量に近い方法で測ると実際には8.0kmある周回コースがあるとする。空がよく開けた条件でスマホで記録すると、GPSのブレによって実際には歩いていない100〜200メートルほどのジグザグが上乗せされ、記録は8.1〜8.2km程度になるかもしれない。同じコースを、空の一部が隠れがちな日や、樹林帯の区間が多い条件で記録すると、上乗せ分は300〜400メートルほどに増え、記録は8.3〜8.4km程度になるかもしれない。どちらの数字もトレイルが嘘をついているわけではなく、どちらの記録も壊れているわけでもない。同じ本当のトレイルの上に、その日ごとに違う量のGPSノイズが乗っているだけだ。

ズレを大きくする条件、しても意味のない対策

山行の前後を屋内で記録してしまうこと、樹林帯の長い区間を通ること、高い建物のそばを歩くことは、いずれもGPS信号を弱めてブレを増やすので、記録どうしの差を広げる方向に働きやすい。一方で、新しいスマホに買い替えたり、「もっと精度の良い」アプリに変えたりしても、このバラつき自体はなくならない。どのGPS受信機も同じ衛星信号と同じ物理的な限界の中で動いているので、記録するアプリが何であっても、ある程度の毎回のズレはGPSベースの距離につきまとうものだからだ。

TrailCamでできること

TrailCamは、それぞれのルートで記録されたGPS位置から、毎回同じ方法で距離を計算している。同じトレイルの2回の記録に多少の差が出るとしたら、それはアプリが数え方を変えたからではなく、その日その日の実際の条件を反映しているからだ。ルートの軌跡はGPX 1.1またはCSVとして書き出せるので、距離の数字をブラックボックスとして受け取るのではなく、その裏にある実際の記録点を自分で確認することもできる。書き出し機能は有料のTrailCam Proに含まれる機能で、アプリ自体はダウンロード無料。

よくある質問

同じトレイルの2回の記録で、どれくらいの差なら普通ですか?
数パーセント程度のズレはごく普通です。それより大きく違う場合は、GPSのノイズよりも、近道をした、寄り道をした、曲がる場所を間違えたといった、実際に歩いたルート自体の違いが原因であることのほうが多いです。
同じトレイルを何度も記録すれば、そのうち信頼できる平均値が出ますか?
トレイルのおおよその長さをつかむ役には立ちます。GPSノイズは数字を押し下げるより押し上げる方向に働きやすいからです。ただし、1回や数回の記録だけで、ぴったり一つの正解の数字に落ち着くことはなく、記録ごとの多少のバラつきはずっと残ります。
毎回まったく同じ線を歩けば、数字が揃うようになりますか?
あまり揃いません。歩く線そのものの違いより、その線の上に乗るGPSのブレのほうが、差の原因として大きいことが多いからです。歩き方だけを揃えても、2回の記録を近づける効果は限られます。

自分のルートを記録する

TrailCam は iPhone 用の GPS ルート記録アプリです。動画・写真・音声メモを撮ったその地点に紐づけて保存し、GPX 1.1 または CSV で書き出せます。ダウンロードは無料です。

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