1か所にピンが何本も固まっているのはなぜ?
気に入った場所で足を止めると、つい写真を何枚か撮り、ついでに音声メモも残しておこうという気になるものです。あとでその山行を見返すと、その1回の立ち止まりが、1本のピンではなく、ごく近くに固まった3本、4本のピンとして表示されていることがあります。これは記録が壊れているわけでも、位置を取り違えているわけでもありません。ピンはそれぞれ、本来すべき仕事をきちんとしているだけです。
結論から言うと
写真も、動画クリップも、音声メモも、それぞれが独立した1つの出来事であり、それぞれが撮影・録音されたその瞬間の、その地点に対して記録されます。「立ち止まっていた時間全体」というひとまとまりに対して1本のピンが付くわけではありません。展望台で3回シャッターを切れば、3つの別々の出来事があった証拠として、3本のピンが付きます。地図上の固まりは、近い時間・近い場所で本当に起きた3つの出来事を、そのまま正直に記録した結果です。
立ち止まっていても、ピンがぴったり重ならない理由
GPS受信機は、どこかに保存しておいた「今いる場所」を読み出しているのではなく、位置を尋ねられるたびに、そのときの衛星の見え方から毎回計算し直しています。同じ場所に2分ほど立ったまま3枚撮影しても、撮影のたびにその瞬間の衛星配置から位置が計算し直されるので、同じ現実の1点についての、3回の独立した測定結果が得られることになります。それぞれに数メートル程度のわずかな誤差が乗るため、ピンはぴったり重なるのではなく、近くに寄り集まる形になります。これは、周回コースを歩いて同じ場所に戻ってきても、記録上のスタート地点とゴール地点がぴったり一致しないのと同じ、ごく普通のGPSの揺れです。
固まり方の密度を決めているもの
ここにはおもに2つの要因が効いています。1つは時間です。前の写真から5秒後に撮った1枚は、その間にほとんど動いていないので、ほぼ同じ場所に付きます。数分かけて展望台をうろうろしたあとに録った音声メモは、その間に実際に動いた分だけ、少し離れた場所に付きます。もう1つは、その場所の空の開け方です。見晴らしのよい展望台なら、どの測定も条件が良いので固まりは小さく密になりますが、同じ3回の撮影でも、木立の下や岩壁のそばだと測定ごとのばらつきが大きくなり、固まりは少し広がります。これは、木立や谷間で空の一部が遮られると位置の精度が落ちるのと同じ理屈です。
あとから見返すときの固まりの意味
1か所にピンが固まっていること自体は、説明が必要な不具合というより、むしろ見返すときに役立つ手がかりです。通り過ぎながら1枚だけ撮った区間とは違い、そこで実際に足を止めて何度もカメラを構えた場所だということを示しています。地図は、ルートがどこを通ったかだけでなく、そのうちのどこで立ち止まる価値があったかも、意図せず同時に伝えてくれているわけです。
TrailCam の場合
TrailCam は、写真・動画クリップ・音声メモのそれぞれを、実際に撮影・録音したルート上の地点にそのまま紐づけて保存します。1か所で何回撮っても件数に上限はなく、近くの記録同士を1本のピンにまとめてしまうような処理もありません。保存したルートをあとで開くと地図上に自分で描き直され、標高グラフの上に、それぞれのクリップやメモが記録された地点で表示されます。TrailCam はダウンロード無料です。
よくある質問
- TrailCam は、近くに固まったピンをまとめて表示しますか?
- まとめません。写真・動画クリップ・音声メモは、どれだけ近い地点に記録されていても、それぞれが自分自身の地点にピンを持ったままです。記録の仕組みとして、別々の撮影を1本のピンにまとめる処理はありません。
- ピンが固まっているのは、その地点のGPSの精度が悪かったということですか?
- それだけでは判断できません。立ち止まったまま撮った複数のピンの間の小さなずれは、ルート全体のどこにでも乗っているのと同じ、数メートル程度のごく普通のGPSの誤差です。その地点だけとくに悪く記録されたという意味ではありません。
- ピンの固まり方の密度から、展望台にどれくらい滞在したかわかりますか?
- おおまかな目安にはなります。固まりが密なら時間を置かずに撮った、広がっていれば撮影の合間によく動いた、という傾向はありますが、あくまで見た目の印象です。実際に何時何分だったかは、それぞれの撮影に付いているタイムスタンプのほうが正確です。
自分のルートを記録する
TrailCam は iPhone 用の GPS ルート記録アプリです。動画・写真・音声メモを撮ったその地点に紐づけて保存し、GPX 1.1 または CSV で書き出せます。ダウンロードは無料です。