なぜ GPS の軌跡が、実際に歩いた道とは違う道の上に表示されるのか
これには二つの原因があり、それぞれ別の話です。ひとつは、ふつうの GPS 位置ズレが軌跡を実際に立っていた場所から数メートルずらしてしまうこと。これは、折り返しが重なって並ぶ場所や、枝道が本線のすぐそばを走る場所、旧ルートとその付け替え先が並んで存在する場所で特に起きやすいものです。もうひとつは、軌跡の下に敷かれている道の線そのものが、必ずしも最新とは限らない別のデータから来ているということ。現地で道が付け替えられたり閉鎖されたりしてから、地図がそれに追いつくまでには時間差があります。あなたの記録した軌跡は完全に正確でも、比較対象になっている「道」のほうが、実際にそこにある道ではなく、地図がまだ持っている古い道である、ということが起こり得ます。
短く答えると
GPS の軌跡と、その下に描かれている道の線は、そもそも別の場所から来ています。軌跡は、歩いているあいだに電話が記録した座標の並びです。地図上の道は、その日にあなたの電話が記録した内容とは無関係に、別途整備されている地図データから描かれた、まったく別の線です。たいていはこの二つが十分近く重なるので、違いを意識する機会はありません。ですが実際の道どうしが数メートルの間隔で並んでいる場所や、地図がすでに付け替えられた道をまだ表示している場所では、その差が目に見えるようになります。軌跡が隣の道の上にずれて乗ってしまうこともあれば、実際に歩いたその場所に軌跡はきちんと乗っているのに、地図のほうがそこは別の、もう現役ではない道だと言い張っていることもあります。
ふつうの位置ズレが原因の場合
GPS の点にはひとつひとつ、数メートル程度の小さな位置のズレがふつうに乗っていて、どれだけ丁寧に記録してもすべての山行についてまわります。周りに何もない開けた場所では、このズレは見えません。隣にまたぐような道がないからです。ですが折り返しが自分自身の上に重なって戻る場所、近道が本線からわずかに離れて並走する場所、あるいはルートの二つの区間が近くを通り過ぎる場所では、そのいつもの数メートルのズレだけで、一方の道の上で記録された点が、もう一方の道の上に乗っているように見えてしまいます。記録そのものには何の問題もありません。単に二本の道が、位置データがもともと持っている誤差の範囲よりも近くにあっただけです。
原因が地図のほうにある場合
地図上の道の線は、現地で道が変わった瞬間に自動で更新されるわけではありません。折り返しが付け替えられたり、崩落した区間が新しい道に置き換わったり、みんなが実際に使うようになった踏み跡がいつのまにか本来の道になっていたりしても、地図データがそれに合わせて手作業で描き直されるまでには、かなりの時間差が生じることがあります。それまでのあいだ、地図は昔からある古い道をそのまま表示し続けます。新しい、正しい道で記録した軌跡が、まるで道から外れて歩いたかのように見えてしまうのは、実際には道のほうが動いていて、地図がまだそれに追いついていないだけということです。
どちらの原因かを見分ける
- 短い区間のなかで軌跡が二本の道のあいだを行ったり来たりしていて、どちらか一方に定まって乗っていない場合は、ふつうの位置ズレである可能性が高い——精度は点ごとにふらつくもので、恒久的にどこかへ移動するわけではありません。
- 実際に歩いた距離ぶんずっと、地図がまったく道として扱っていない線の上に、軌跡が一貫してなめらかに乗っている場合は、記録側の問題というより地図のほうが古いことを示しています。
- あとから別の、より最近更新された地図や、その道の最近の山行記録と照らし合わせて確かめるほうが、線だけをにらんでいるよりも確実です。
どちらの場合でも、直すべき対象は記録そのものではありません。ふつうの位置ズレによる一点のはみ出しはあえて直す必要のないものですし、地図上の古い道の線はハイキングアプリ側でどうにかできるものでもありません。その修正は地図データそのものに対して行われるもので、たいていは現地の変化が確認されたあと、誰かがその更新を投稿することで反映されます。
TrailCam でどうなるか
TrailCam は、GPS 受信機が記録したとおりの座標をそのまま線として地図の上に描き、撮った動画や写真、残した音声メモは、それを記録したルート上の地点に紐づけて表示されます。もし地図が示す道と実際の区間の見え方にずれがあるなら、そのルートを GPX 1.1 として書き出して、別の地図と照らし合わせたり、その一帯の道データを管理している人に渡したりすることができます。GPX の書き出しは任意の TrailCam Pro アップグレードに含まれる機能で、アプリ本体は無料でダウンロードできます。
よくある質問
- 軌跡が違う道の上に表示されているのは、GPS の記録が悪かったということですか?
- 必ずしもそうとは限りません。実際に歩いていた道のすぐ近くを走る別の道に、数メートルのふつうの位置ズレが乗ってしまっただけということがあります。この程度のズレはどの記録にも常について回るもので、記録が失敗したしるしではありません。
- なぜ軌跡が、もう存在しないはずの道の上に乗っているのですか?
- 地図上の道の線は、誰かが現地の変化に気づいて記録するたびに手作業で更新されるデータから来ていて、実際の付け替えや閉鎖からかなり遅れることがあります。軌跡自体は正確でも、その下の地図が単に古いバージョンの道を表示しているだけ、ということがあります。
- ハイキングアプリのほうで、地図の古い道の線を直してもらうことはできますか?
- できません。道の線はアプリとは別に管理されている地図データであって、記録用のアプリが編集できるものではありません。修正はその地図データ自体に対して行われるもので、たいていはその道について誰かが変更内容を投稿したときに反映されます。
自分のルートを記録する
TrailCam は iPhone 用の GPS ルート記録アプリです。動画・写真・音声メモを撮ったその地点に紐づけて保存し、GPX 1.1 または CSV で書き出せます。ダウンロードは無料です。