TrailCam

ガイド

その場にいなかった人に山行を伝える方法

良い山行から帰ってきて、行かなかった人にも見せたいと思っても、「これを送れば全部伝わる」というボタンはありません。GPX はルートの線だけを運び、メッセージアプリで送る写真はメディアだけを運びます。それぞれが何を運び、何を運ばないかを先に整理してから、実際に伝わる 3 つの方法を見ていきます。

まず結論

一度に全部を送る方法はありません。GPX ファイルには座標・標高・時刻の並びしか入らず、写真や動画は別ファイルのままです。逆に写真や動画だけを送っても、それがルートの何キロ地点で撮られたのかという文脈は運ばれません。どちらか一方を送るだけでは、相手が受け取るのは山行の半分だけです。

相手に山行の全体を体験してもらう現実的な方法は 3 つあり、いずれも多少の手間を引き受けることになります。手間のかけどころが違うだけで、どれも正直な方法です。

GPX が運ぶのはルートの線だけ

GPX の実体は XML で、トラックポイントが順番に並んでいるだけの形式です。各点が持つのは緯度・経度、多くの場合は標高と時刻で、これらから距離やペース、高度プロフィールを組み立て直せます。しかし写真・動画・音声メモを埋め込むフィールドは、GPX の仕様のどこにもありません。

これは不備ではなく、そもそもの設計です。GPX は軌跡データをやり取りするために作られた形式で、メディアの入れ物としては作られていません。だから GPX を書き出して送っても、相手の地図ソフトには線が引けるだけで、途中で何を見て何を撮ったかは一切ついてきません。

写真や動画だけを送っても、場所の文脈は残らない

逆に、撮った写真やクリップをメッセージアプリでそのまま送れば、見た目は届きます。しかしそれがルートの何キロ地点だったのか、直前にどんな登りがあったのか、直後に何があったのかという文脈は、写真ファイルにもメッセージのやり取りにも残っていません。受け取った側からすると、山行のどこで撮られたのか分からない写真が並んでいるだけになります。

送るときに「〇〇キロ地点の展望台」のように手で書き添えれば、文脈はいくらか戻ります。ただしそれはメッセージの会話の中に一時的に存在するだけで、写真ファイル自体には残りません。あとで見返そうとすると、同じ会話をもう一度探し出さない限り、その説明にはたどり着けません。

実際に伝える 3 つの方法

1. その場で一緒に再生を見せる

一番手っ取り早く、一番忠実なのは、相手が実際にそこにいるときにルートの再生を見せることです。地図の上に線が引き直され、途中で撮ったものが記録された場所にちょうど現れる様子を、そのまま見てもらえます。ただしこれは相手が同じ部屋にいるときにしか使えません。

2. 再生を画面収録して動画として送る

相手がその場にいない場合は、再生している画面をそのまま録画し、できた動画ファイルを送る方法があります。動画なので普通のメッセージアプリでそのまま送れ、相手は自分で地図アプリを開いて操作する必要がありません。ただし届くのは再生そのものではなく、再生を見ている画面の記録である点は割り切る必要があります。

3. GPX とメディアを一緒に送り、場所を手で書き添える

GPX ファイルと写真・動画をまとめて送り、それぞれがルートのだいたいどのあたりで撮られたかを短いメモで添える方法です。手間はかかりますが、相手は GPX を自分の地図ソフトに取り込み、ルートをたどりながら写真を見比べることができます。位置の対応は自動ではつかないので、その説明を書く手間は送る側が引き受けることになります。

この 3 つが成り立つ条件

どの方法も、写真や動画が最初から記録アプリの中で撮られていて、ルート上の地点にすでに紐づいていることが前提です。標準のカメラで撮ってあとからカメラロールで拾い集めた写真は、そもそも記録アプリ側がそれをルートのどこで撮ったものか知りません。だから見せるにも書き添えるにも、まず自分の記憶とタイムスタンプを頼りに、写真と地図上の場所を手作業で突き合わせるところから始めることになります。

撮った瞬間からルートに紐づいていれば、この 3 つの方法はどれも、今ある記録をそのまま使うだけで済みます。あとから結びつけ直す作業は、共有しようと思い立った、まさにそのタイミングで一番重い手間として降ってきます。

TrailCam の場合

TrailCam はバックグラウンドでルートを記録しながら、記録画面を離れずに写真・最長 2 分の動画クリップ・ひとことの音声メモを撮ることができ、それぞれを撮ったルート上の地点に紐づけて保存します。あとから保存したルートを開くと再生され、地図の上に線が引き直され、クリップや写真が記録された場所に現れます。1 本のルートも履歴全体も GPX 1.1 または CSV で書き出せます。書き出しは任意の TrailCam Pro の機能です。ダウンロードは無料です。

よくある質問

GPX ファイルを送れば、写真も一緒に相手に届きますか?
届きません。GPX はルートの線を運ぶための形式で、写真・動画・音声メモを埋め込む場所がありません。相手に届くのは緯度・経度・標高・時刻の並びだけです。
写真だけをメッセージアプリで送るのと、GPX も一緒に送るのとでは何が違いますか?
写真だけを送ると見た目は届きますが、それがルートのどこで撮られたのかという文脈は残りません。GPX とメディアを一緒に送り、場所をメモで書き添えれば、相手は GPX を地図ソフトに取り込みながら、その写真がルートのどのあたりのものかを追える形にできます。
標準カメラで撮った写真を、あとから山行の記録と結びつけて送ることはできますか?
できますが、写真に位置情報が残っていることが前提で、しかも記録アプリ側はその写真がルートのどこに属するかを知りません。結びつけるにはタイムスタンプを手作業で照合する必要があり、最初から記録アプリの中で撮っておくほうが確実です。

自分のルートを記録する

TrailCam は iPhone 用の GPS ルート記録アプリです。動画・写真・音声メモを撮ったその地点に紐づけて保存し、GPX 1.1 または CSV で書き出せます。ダウンロードは無料です。

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