「正確な位置情報」をオフにすると GPS 記録は狂うのか
iOS は位置情報について実は二つの別々の質問をしていて、片方に答えたつもりでもう片方の存在を忘れがちです。一つ目は、アプリがそもそも位置情報を見られるかどうか——多くの人がすでに知っている「このAppの使用中のみ許可」「常に許可」の話です。二つ目は「正確な位置情報」というトグルで、これは違うことを決めています。アプリに渡される位置が正確な一点なのか、それとも意図的に数キロ幅にぼかされた範囲なのか、という違いです。ほとんどのアプリにとってこの二つ目のトグルはほぼどうでもいいものですが、ルートを記録するアプリにとっては、使える記録になるか、歩いた道とはほぼ関係ない線になるかの分かれ目になります。
結論から
はい、しかもこのリストにある他のどの設定よりも大きく効きます。「正確な位置情報」をオフにすると、記録アプリに渡されるのは少し精度の落ちた GPS の位置ではなく、まったく種類の違う情報——一点ではなく、ある範囲です。ぼかされた範囲を次々つないで作ったルートは、少し粗くなった自分の歩いた道には見えません。カクカクと角ばり、人が歩く速さではありえない位置へ飛び、トレイルの形そのものがほぼ失われます。
混同されやすい二つの設定
位置情報サービスへのアクセス
これは多くの人がすでにイメージしている許可で、設定 → プライバシーとセキュリティ → 位置情報サービス → 該当のアプリ、にある「このAppの使用中のみ許可」または「常に許可」です。アプリがそもそも位置情報の更新を受け取れるか、そしてそれがバックグラウンドでも続くかを決めます。画面をロックしたときやほかのアプリを開いたときに記録が続くかどうかは、この設定によります。
正確な位置情報
これは同じ設定画面の中で、アクセスのすぐ下にある別のトグルです。アプリが位置情報を受け取れるかどうかではなく、受け取る位置情報の解像度を決めます。オンなら、そのときの GPS の精度なりに実際の座標が渡されます。オフなら、広い範囲のどこかにぼかされた座標が渡され、その範囲のどこに実際にいるのかは分かりません。
「おおよその位置情報」がアプリに渡すもの
Apple はこれを、本物より劣化させた版ではなく、本物のプライバシー機能として設計しています。おおよその位置情報は、正確な位置を丸めただけの値ではなく、点ではなく範囲を表すまったく別の値で、正確な測位よりも更新される頻度もずっと低いものです。天気を調べたり近くの店を探したりするアプリにとってはそれで十分すぎるほどで、むしろそのアプリが本当に必要としている以上の精度を渡さずに済むということでもあります。
ハイキングのルートを記録する場合は、どんな解像度であっても足りません。距離、ペース、獲得標高はすべて、トラックを構成する点の並びから計算されます。その計算に正確な座標の代わりに数キロ幅の範囲を渡せば、これらの数字はどれも意味を失います。地図上の線は、木々の下でよくある GPS ノイズのように少し揺れるのではなく、人が歩くペースとは無関係な、離れた地点の間を飛び回るようになります。
iOS がそもそも「おおよそ」を既定にしている理由
位置情報を求めるアプリの多くは、実はあなたが今どこに立っているかを正確に知る必要がありません。天気アプリや検索アプリ、「近くの」結果を出すたいていのものは、おおよその範囲だけで十分に機能し、アプリが本当に必要とする以上の情報を渡さずに済ませるほうがプライバシーとしては望ましい既定値です。iOS はこれを、アクセスの許可そのものとは別に、正確な位置情報を渡すかどうかを個別に選べる形で反映しています。
本当に例外なのはごく一部のアプリで、ナビゲーションと、実際に歩いた場所を記録するものです。こうしたアプリについては、ほかの大半のアプリに合わせた既定値をそのまま信用するのではなく、意識して確認しておく価値があります。
確認する場所
設定 → プライバシーとセキュリティ → 位置情報サービス → 該当のアプリ、を開くと、上にアクセスのレベル、その下に「正確な位置情報」のトグルが同じ画面に並んでいます。多くのアプリでは最初に位置情報のアクセスを許可した時点でオンになっていますが、あとから手動でオフにしてしまったり、複数のアプリをまとめて見直すプライバシーの整理のついでに、そのアプリだけを狙ったわけでもなく切られてしまうことがあります。
記録したルートがカクカクしていたり、通常の GPS ノイズでは説明のつかない飛び方をしたことがあるなら、ほかの何よりも先にこのトグルを確認する価値があります。粗いトラックのよくある原因とはまったく違う症状として現れるからです。
TrailCam に必要なもの
TrailCam は iPhone の GPS が出す正確な座標からルートを記録するので、記録が意味を持つためには「正確な位置情報」がオンになっている必要があります。天気アプリのようにおおよその範囲で用が足りるわけではありません。最初に位置情報のアクセスを許可する画面で両方の設定が選べるようになっていて、あとからでも設定 → プライバシーとセキュリティ → 位置情報サービスで確認できます。ダウンロードは無料です。
よくある質問
- 「正確な位置情報」は「使用中のみ許可」や「常に許可」と同じ設定ですか?
- いいえ。アクセス(「使用中のみ許可」または「常に許可」)は、アプリがそもそも位置情報の更新を受け取れるか、それがバックグラウンドでも続くかを決めます。「正確な位置情報」は同じ画面にある別のトグルで、その更新が正確な一点かぼかされた範囲かを決めます。
- 「正確な位置情報」をオフにして記録すると、ルートはどう見えますか?
- 単に少し不正確になるのではなく、カクカクして一貫性のない見た目になります。アプリに渡されるのが座標ではなく広い範囲であるため、実際に歩いた道をなぞる代わりに、範囲内のあちこちの位置へ点が飛びます。
- 「正確な位置情報」をオフにするとバッテリーの節約になりますか?
- 目立つほどにはなりません。この設定が変えるのはアプリに渡される位置情報の解像度であって、GPS 受信機自体の動き方ではないからです。ハイキング中の大きな節約は、機内モードや画面の明るさなど別のところから来ます。
自分のルートを記録する
TrailCam は iPhone 用の GPS ルート記録アプリです。動画・写真・音声メモを撮ったその地点に紐づけて保存し、GPX 1.1 または CSV で書き出せます。ダウンロードは無料です。