画面の明るさは、山行中の GPS バッテリー消費に影響するのか
影響します。ただし、画面が実際に点いている時間だけの話で、理由もよく思われているものとは少し違います。明るさは、バックグラウンドで静かに位置を記録し続けている GPS 受信機とは無関係です。これは純粋に画面そのものの消費であり、画面がどんな作りであっても同じように効いてきます。理解しておく価値があるのは、誰も設定をいじっていなくても、屋外の山行は同じ画面時間の屋内より多く消費しがちだという点です。
端的な答え
画面を明るくすると、どの端末でも消費は増えます。より多くの光をつくるには、より多くの電流が必要だからです。この消費は実在するもので、画面がしているほかの仕事にも上乗せされますが、画面が点いているときにしか発生しません。ルートの記録は、画面が消えていても、暗くても、いちばん明るい設定でも、同じペースで位置を記録し続けます。明るさは画面の消費であって GPS の消費ではなく、この二つが同じ予算を分け合うことはありません。
ダークテーマと違い、明るさはどの画面でも消費に効く理由
ダークテーマが節約になるのは、画素の一つひとつが自分で光を出すタイプの画面だけです。そこでは黒い画素は電源が切れている画素だからです。明るさは仕組みが違います。光っている画素それぞれが、どれだけの光をつくるかを決める設定であり、どちらのタイプの画面でも関係してきます。明るさを上げれば、画素自身が光るタイプの画面は一つひとつの画素がより強く光ろうとし、裏に一枚のバックライトを持つタイプの画面はそのバックライト自体を明るくします。どちらの画面も逃げ道はありません。ここが二つの設定の本質的な違いで、片方は一部のハードウェアにしか効かず、もう片方はどの画面でも消費を増やします。
屋外では、なぜ明るさが勝手に上がっていくのか
たいていの場合、誰かが手動で明るさのスライダーを動かしているわけではありません。自動輝度調整が周囲の明るさを読み取り、それに見合った読みやすい明るさへと画面を近づけているだけです。直射日光は屋内のどんな部屋よりもはるかに明るいので、日なたの尾根では自動輝度調整がその範囲の上のほうに落ち着くことが多く、同じ端末でも屋内ではその何分の一かで済むことがあります。開けた空の下で地図をちらちら確認する山行は、歩き方が同じであっても、木陰や夕暮れどきの同じ回数の確認より、明るさの面で高くつく山行になります。
まったく影響を受けないもの
GPS 受信機は画面を見ていませんし、画面の明るさがどうであろうと、位置を測る頻度や精度が変わることはありません。ずっと最大の明るさで記録した山行と、画面を消したまま記録した同じ山行は、見た目が同じ軌跡になります。ルートは GPS の点から組み立てられていて、明るさはその計算の材料に一度も入っていないからです。これは木々の下や悪天候下での GPS の精度とは別の話で、そちらを決めているのは空と電波の状態であって、画面の表示ではありません。
山行全体で見たときに、実際に積み上がるもの
消費されているのは「画面が点いていた時間」に「そのときの明るさ」を掛け合わせたものです。動画クリップを撮ることが、クリップの長さぶんの画面点灯時間を消費するのと同じ考え方です。ほとんどの時間スマートフォンをポケットに入れて、地図を短く数回しか見ない山行なら、自動輝度調整がどれだけ明るさを上げようと、掛け合わせる点灯時間そのものが少ないので、消費もわずかです。ルートが地図に描かれていく様子をずっと画面で見ていたり、撮った映像をあとから再生したりする山行は、それよりずっと多く消費しますし、同じ時間でも屋内より屋外のほうが多く消費します。
誤解しやすいこと
- ダークテーマと明るさを下げることを、同じ問題への対策だと思い込む——この二つは奪い合う関係ではなく足し合わさるものですが、明るさはどの画面でも消費に効くぶん、たいてい二つのうち大きいほうのレバーです。
- 明るさを下げれば GPS の精度が変わると考える——受信機はそもそも画面を見ていないので、暗くしても記録のされ方には何も変わりません。
- 日差しの強い山行の前に明るさを低く固定してしまい、屋外で地図が読みにくくなって困る——この見づらさは実際に起こり得るもので、自動輝度調整が屋外で明るさを上げるのは、暗い画面が直射日光の下では本当に読みにくいからです。
- 日差しの強い山行で画面を長く見ていたせいで電池が大きく減ったのに、GPS 記録のせいだと思ってしまう——その消費は画面側の帳簿に載るもので、GPS 側の帳簿には載っていません。
TrailCam との関係
TrailCam は、画面が消えていても、ロックされていても、端末が決めたどんな明るさで点いていても、バックグラウンドでルートの記録を続けます。だから軌跡そのものは画面の状態に何も左右されません。距離やペースを確認したり、写真や動画、音声メモを撮ったり、あとからルートを再生したりする場面こそが、明るさが実際に代償を伴う場面であり、その代償はどのアプリでも同じ画面時間に対して同じだけかかるものです。TrailCam はダウンロード無料です。
よくある質問
- 画面の明るさを下げると、GPS のバッテリー消費は遅くなりますか?
- 画面が実際に点いている時間の消費は下がりますが、GPS 受信機には関係なく、明るさにかかわらず同じペースで位置を記録し続けます。節約になるのは画面が点いている時間だけです。
- 同じ山行なのに、晴れの日は曇りの日よりバッテリーの減りが大きいのはなぜですか?
- 自動輝度調整が周囲の明るさを読み取り、直射日光の下でも読みやすいように画面を明るくするためです。同じ回数だけ画面を見ても、屋内や曇りの日より、屋外の晴天では消費が大きくなります。
- 山行中のバッテリー節約には、明るさとダークテーマのどちらが効きますか?
- たいていは明るさのほうです。ダークテーマは、画素ごとに自分で光るタイプの画面で、しかも暗い画素からしか節約できません。明るさは、どちらのタイプの画面でも、上げれば上げるほど消費が増えるので、二つのうちより大きなレバーになります。
自分のルートを記録する
TrailCam は iPhone 用の GPS ルート記録アプリです。動画・写真・音声メモを撮ったその地点に紐づけて保存し、GPX 1.1 または CSV で書き出せます。ダウンロードは無料です。