GPXファイルには、どのアプリで記録したかが書かれているのか
多くの場合、書かれている。GPX 1.1 では、ファイルの先頭にあるタグに creator という項目を持たせることが規格上決められていて、そこにはファイルを作ったソフトウェアの名前が入る。特定のアプリがこっそり仕込んだ隠しフラグではなく、フォーマット自体が求めている必須項目で、ファイルの一番上に平文で置かれている。GPXを読めるアプリなら、探そうと思えば誰でも見られる場所にある。大事なのは、この項目が実際には何のためにあり、あなた個人についてはどれほど何も語らないか、という点だ。
まず結論
GPX 1.1 ファイルの一番最初の行を開くと、バージョン番号と並んで creator という属性がほぼ必ず入っている。ファイルを作ったアプリやサービス、あるいは機器の名前を示す短い文字列だ。これは暗号化されずに、ファイルの開始タグの一部として素のテキストで置かれていて、何かのオプション機能の奥に隠されているわけではない。GPXを読み込むように作られたプログラムなら、この開始タグを読むのはたいてい最初の処理のひとつなので、特別なことをしなくても目に入る。
フォーマット自体にこの項目がある理由
GPXはXMLをベースにしたフォーマットで、すべてのGPX 1.1ファイルの根っこにあるタグ——ほかのすべての要素を内側に含む一番外側のタグ——には、二つの属性が必須で入る。ひとつはversionで、そのファイルがフォーマットのどのバージョンに従っているかを示す。もうひとつがcreatorで、そのファイルを作ったものの名前を示す。このルートタグの内側には、name、description、time、authorといった項目を持つ任意のmetadataブロックを置くこともできるが、これらはファイルを書き出したアプリの裁量に任されていて、ほとんど空のまま残されることも多い。
creator属性は、フォーマットが実際に必須としている唯一の自己申告項目で、そのぶんほかの任意メタデータよりもずっと一貫してGPXファイルに現れる。
なぜこの規格はこれを求めているのか
GPXは、一社のアプリの中だけで完結させるためではなく、さまざまな会社が作った多くのツールの間でトレイルデータをやり取りするために作られたフォーマットだ。そういう用途のフォーマットは、あるファイルがどこから来たのかを一目で分かるようにしておくと都合がいい——文書フォーマットや画像ファイル、書き出されたソフトウェアの出力が、どのプログラムで作られたかをそっと記録しているのと同じ発想だ。基本的にはデバッグや互換性確認のための便利機能で、あるファイルの取り込みで不具合が起きたときに、どのアプリが作ったものかが分かっていれば、どこを調べればいいか絞り込みやすくなる。
この項目が語ること、語らないこと
creator項目が示すのは、そのファイルを作ったアプリやサービスの名前で、語る範囲はほぼそこまでだ。使っているiPhoneの機種名は入らないし、どんな設定でオンにしていたかも分からない。authorや連絡先の欄に自分で情報を書き込んでいない限り、記録した本人が誰かについても何も語らない——そしてほとんどの人はそんな欄を埋めないし、ほとんどのアプリもそれを求めない。ファイルに貼られたラベルであって、記録した人の人物像ではない。
これは、トラックそのものが実際にどこを歩いたかを語ってしまう情報とはまったく違う種類のものだ。プライバシーが気になるなら考えるべきはファイルの中にある測位点、なかでも記録を開始した地点であって、開始タグに乗っているアプリ名ではない。この点については、GPXファイルが自宅の場所を明かしてしまうかどうかを扱ったガイドで別途取り上げている。
実際にどこで目にするか
ほとんどの地図アプリやルートを扱うサービスは、通常の画面でこの項目をわざわざ見せてはこない。ファイルをアップロードすれば地図の上に軌跡が表示される、それで体験としては完結してしまう。目に触れるのは二つの場面に限られる——ファイルをそのままテキストエディタで開いて先頭行を見るときと、アップロード完了画面に「作成元」や「作成アプリ」といったラベルをたまたま表示してくれる取り込みツールを使うときだ。どちらも日常的によくある操作ではないので、実際には一度も隠されたことがないのに、なんとなく隠れた項目のように感じられてしまう。
つまずきやすいところ
- creator項目を、名前や場所と同じレベルのプライバシーリスクだと思い込む——これが示すのはソフトウェアの名前であって人物ではなく、それ単体では個人につながる情報を何も持たない。
- アプリ名がどこにも見当たらないGPXファイルを、より匿名性が高いと思い込む——creator属性はフォーマットが必須としている項目なので、普段の地図表示でまったく見せられていないだけで、実際にはほぼ常に存在している。
- creator項目を、どの実機で記録したかの証拠だと思い込む——示しているのはソフトウェアの名前で、同じソフトウェアは複数の異なる機種で動きうるので、端末そのものについては何も語らない。
- すべてのGPXファイルに、creator属性と同じようにauthorやdescription、連絡先の欄まで埋まっていると思い込む——それらの追加メタデータは任意項目で、ほとんどのアプリはそのほとんどを空のままにしている。
TrailCam の場合
TrailCamはルートをGPX 1.1として書き出す。Strava、Garmin Connect、Komootが読み込めるのと同じ、広く使われているバージョンのフォーマットで、独自の亜種ではなくこうした標準のルールにそのまま従っている。ダウンロードは無料。
よくある質問
- creator項目は、GPS機器の識別番号と同じものですか?
- いいえ。示しているのはファイルを作ったソフトウェアの名前で、シリアル番号や機器の識別子、特定の実機に結びついた情報ではありません。
- GPXファイルを共有する前に、creator項目を消したり隠したりできますか?
- この項目は有効なGPX 1.1ファイルの開始タグに必須で含まれる部分なので、フォーマットを書き出すほとんどのアプリは、外す選択肢を用意せずに自動的にこの項目を含めます。
- 同じハイキングを書き出すたびに、creator項目の値は変わりますか?
- 変わりません。この値はどのハイキングかではなく、書き出しに使ったアプリに結びついています。同じアプリから同じルートを二度書き出しても、creatorの値は両方とも同じです。
自分のルートを記録する
TrailCam は iPhone 用の GPS ルート記録アプリです。動画・写真・音声メモを撮ったその地点に紐づけて保存し、GPX 1.1 または CSV で書き出せます。ダウンロードは無料です。