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GPX ファイルに標高のデータがないのはなぜ?

地図の上ではきちんと歩けているのに、開いてみると高度プロフィールがどこにもない。すべての点に緯度と経度だけがあって、それ以外は何もない。これはファイルが壊れているわけではありません。標高は最初からこの形式の必須項目ではなく、まったく正常な GPX ファイルでもそこが抜け落ちる理由はいくつかあります。

結論から言うと

GPX のトラックポイントに絶対必要なのは緯度と経度だけです。標高は任意の追加項目で、それが入っていなくてもファイルとしては完全に正しいものです。標高がまったくない状態で届くとき、原因はほとんどの場合ファイルそのものより手前にあります。記録した端末に渡す標高がなかったか、その後ファイルに手を加えた何かが標高を残さなかったか、そのどちらかです。

地図上のルートはどちらの場合でも影響を受けません。距離、線の形、点の並び順はすべて緯度と経度から決まり、標高の有無には左右されません。

標高はファイルのどこにあり、なぜ任意なのか

記録された点はそれぞれ独立したトラックポイントとして書かれ、緯度と経度が必須の属性として付きます。標高と時刻はそこに入れ子になった別項目で、記録側が持っていれば書かれ、持っていなければ単に現れません。GPX は 2002 年に、メーカーの異なる GPS 機器どうしがデータをやり取りできるように設計された形式です。当時は位置だけを報告し、高度を測るセンサーを持たない受信機も珍しくありませんでした。標高を任意にしておくことが、そうした機器から出たファイルもきちんと有効な GPX ファイルとして扱える唯一の方法だったのです。

今の iPhone は高度に関する材料をたいてい持っているにもかかわらず、この項目がいまも任意のままなのは、そのときの経緯を引き継いでいるからです。

よくある原因

  • 記録した端末に高度を測る手段がなかった。簡易な GPS ロガーや古い受信機は位置だけを報告し、高さについては何も持っていないので、標高の欄に書くもの自体がありません。
  • ルートを簡略化・軽量化するツールが標高を取り除いた。密度の高いトラックを点数の少ないものに間引くエディタは、間引いた点と一緒に標高も落としてしまうことがあります。狙いはファイルを完全な状態に保つことではなく、小さくすることだからです。
  • そのファイルがトラックではなくルートだった。GPX は、実際に歩いた道筋を点ごとに記録した「トラック」と、たどるべき曲がり角だけを並べた「ルート」を区別します。ルートは標高も時刻も持たずに作られることが多く、それはどちらもルートの目的ではないからです。
  • 受け取ったサービスがあえて標高を捨てている。ファイルに書かれていた高度の値をそのまま採用せず、各座標の地形の高さを自前の地形モデルから引き直すサービスがあります。この場合、目にしているのは「標高が欠けている」のではなく、「サービス側が意図的に置き換えた」状態で、しかもファイル自体がすでに標高抜きで再書き出しされていることもあります。

標高がないと実際に何が失われるのか

獲得標高と下降量は、標高の並びを順にたどって上り下りを足し合わせることで計算されるので、標高そのものがなければ計算のしようがありません。値がなければプロフィールもなく、地図の下に描くものもありません。

それ以外は何も変わりません。距離は連続する座標どうしの水平方向の距離で、ペースはその距離を時間で割ったものなので、標高があってもなくても同じように出ます。標高をまったく持たない GPX ファイルでも、どこをどれだけの時間で歩いたかの記録としては十分に使えます。

ファイルの中身を実際に確かめる方法

GPX はプレーンテキストなので、いちばん早い確認方法はテキストエディタで開いて、いくつかのトラックポイントを見ることです。標高があれば、同じ点の中の時刻のすぐそばに、短い入れ子の値として現れます。どの点にもそれが見当たらなければ、そのファイルには本当に標高のデータがなく、別のどこかに読み込み直しても現れることはありません。ふだんは高度プロフィールを描くアプリで、実際には登り下りのあったはずのルートなのに平らなグラフしか出ない、というのも同じことを反対側から見た合図です。

TrailCam でできること

TrailCam は、書けるかぎりすべての点に標高の値を書き込みます。iPhone は GPS から高度を得られるほか、多くの機種では気圧センサーからも得られるからです。TrailCam でそのまま記録し書き出したルートは、トラック全体に標高が入っており、それが地図の下に描かれる高度プロフィールのもとになります。書き出しは GPX 1.1 で、任意の TrailCam Pro に含まれる機能です。アプリ自体のダウンロードは無料です。

よくある質問

標高のデータがない GPX ファイルは無効ですか?
いいえ。トラックポイントで必須なのは緯度と経度だけです。標高と時刻は任意の項目で、どちらもないファイルでも完全に有効な GPX ファイルです。
標高がないと距離やペースに影響しますか?
しません。どちらも水平方向の座標と点の間の時間から計算されていて、高度からは計算されていません。標高をまったく持たないファイルでも、距離とペースは正確に出ます。
後から GPX ファイルに標高を追加できますか?
各座標の地形の高さを数値標高モデルから引いて書き加えるツールならできます。ただしそれは実際にそのとき経験した標高そのものを取り戻しているのではなく、代わりに当てはめているだけです。おおまかなプロフィールとしては役立ちますが、その場で気圧計や GPS が測った値と同じではありません。

自分のルートを記録する

TrailCam は iPhone 用の GPS ルート記録アプリです。動画・写真・音声メモを撮ったその地点に紐づけて保存し、GPX 1.1 または CSV で書き出せます。ダウンロードは無料です。

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