同じ山行でも二台のスマホで軌跡が違うのはなぜか
友人と一緒に同じ道を歩き、それぞれ自分のスマホで記録しても、後で見比べると二本の軌跡はきれいには重ならない——片方がもう一方から数メートルずれ、距離の合計も少し違っている。どちらのスマホも壊れているわけではなく、どちらかが偽物の記録というわけでもない。並んで歩く二台のスマホは、それぞれ「自分は今どこにいるか」という同じ問いに、少しだけ違う場所から、完全に独立に答えているだけであり、答えに小さなズレが出るのはその仕組みの普通の結果にすぎない。
短く答えると
スマホのGPS受信機は、ほかの受信機と答え合わせをすることは一切ない。その瞬間に見えている衛星と、その瞬間に頭上との間にある物——上着のポケット、手のひら、木の葉——を通して、自分の位置を一人で計算する。並んで歩く二台のスマホはほぼ同じ空を見ているが、まったく同じ空を見ているわけではなく、GPSの測位はその「ほぼ」の違いを軌跡の数メートルのズレとして映し出すほど敏感だ。並んで記録した二本の軌跡が数メートルずれているのはごく普通のことで、何かが失敗したしるしではない。
それぞれのスマホが、一人で同じ問題を解いている
GPSは一方通行の電波だ。衛星が信号を送り、スマホはその信号がちょうどそれだけの時間をかけて届くには自分がどこに立っていなければならないかを計算する。この過程には、ほかの受信機と話したり、結果を教え合ったり、近くのスマホが出した答えを確認したりする仕組みは一切なく、そもそもそのための経路が存在しない。同じ道を歩く二人は、同じ計算を二台の別々の端末で二回行っているだけであり、それぞれの計算がわずかに違う答えにたどり着いてもおかしくない。
「ほぼ同じ空」でも、同じ空ではない
衛星からの信号は、1メートル離れた二点でもわずかに違うタイミングで届くことがある。岩肌や木の幹、壁などに反射する角度がそれぞれの地点で少しずつ違うからで、この効果は空がもともと多く遮られているほど大きくなる。見晴らしのよい尾根を並んで歩く二台のスマホは、信号が跳ね返るものがほとんどないため、たいてい近い結果になる。同じ二台が木々の下や狭い峡谷、崖のそばを歩くと、それぞれが直接届く信号と反射した信号を少しずつ違う比率で受け取るため、差はもっと大きくなりうる。
スマホの持ち方も、もう一つの違いを生む
体そのものが空の一部を遮り、その量はスマホをどこに持っているかで変わる。手に持つ、胸元のポケットに入れる、ザックのストラップに挟む、バッグの底に沈めておく——それぞれでアンテナから見える空の広さが違う。同じ道を歩く二人が同じ持ち方をしていることはめったにないので、GPSの受信にもともとある小さな差に加えて、それぞれの受信機に渡される「空の見え方」自体もすでに違っている。
距離の合計も違ってくるのが当然
距離の合計は、軌跡に記録された一つ一つの点を少しずつ足し合わせて出している数字なので、上で挙げたわずかな位置のズレをすべて引き継ぐ。短い散歩ならその積み重ねはほとんど無視できるが、長い山行になると、同じ道を正直に記録した二本の軌跡のあいだで、距離の合計がひと桁台前半のパーセントほど違っていてもごく普通のことで、どちらかが正しく測れていてどちらかが間違っているという話ではない。
見直す価値があるとき
山行を通してずっと小さくほぼ一定のズレが続いているなら、それが普通の姿だ。見直す価値があるのは、大半の区間ではよく一致しているのに、ある特定の区間だけで急にもう一方から大きく離れる場合——それはスマホ同士の違いというより、木々の濃い区間、崖の下沿い、高いビルに挟まれた細い通りなど、その区間に固有の何かを指している。
TrailCamの場合
TrailCamは、その瞬間にスマホへ届いているGPS信号から、ほかのGPS記録アプリと同じ方法でルートを記録し、その結果は任意のTrailCam Proアップグレードに含まれる機能として、GPX 1.1ファイルまたはCSVで書き出せる。アプリ自体のダウンロードは無料だ。TrailCamで記録した山行を、別のスマホやアプリで記録した友人の記録と見比べるのは、決まった正解と照らし合わせているのではなく、同じ道を測った二つの正直で独立した記録を読み比べているにすぎない。
よくある質問
- 並んで歩けば、二本の軌跡はもっと近づきますか?
- あまり近づきません。二本の軌跡の差は、それぞれのスマホのアンテナから空がどれだけ見えているか、どう持たれているかによるところが大きく、二人の間の距離そのものにはほとんど関係がありません。肩を並べて歩いても、この差はなくなりません。
- 二本の軌跡のうち、正確なのはどちらですか?
- どちらか一方だけが正しいということはありません。どちらも同じ実際の道を独立に推定した結果であり、それぞれに小さな誤差が乗っています。軌跡だけを見て、どちらがより真実に近いかを判断する方法はありません。
- 二台のスマホの差は、どの山行でも同じくらいになりますか?
- いいえ。その道でそれぞれのスマホがどれだけ開けた空を見られたかによって変わります。見通しのよい区間が多い山行のほうが、木々の下やビルの間を歩く山行よりも一致しやすくなります。
自分のルートを記録する
TrailCam は iPhone 用の GPS ルート記録アプリです。動画・写真・音声メモを撮ったその地点に紐づけて保存し、GPX 1.1 または CSV で書き出せます。ダウンロードは無料です。