ハイキングアプリは、ルートの履歴をいつまで残しておいてくれる?
半年前に記録した山行は、あとで見返そうとしたときにたいていちゃんとそこにある。ただ「ルート履歴が無制限」というのが有料プランの売り文句として出てくることはよくあり、そうなると無料側では何が起きているのか気になってくる。古い山行を消して場所を空けているのか、消してはいないが有料の壁の向こうに隠しているのか、それとも全部残したうえで別の何かを売っているのか。答えはアプリによって違うというのが正直なところで、この三つのどれなのかは見た目以上に大きな違いを生む。
結論から言うと
たいていのハイキングアプリは、ルートの履歴をそのまま削除するようなことはしない。代わりによくあるのは、無料プランで見られる履歴のどこかに上限を設けることだ。一番古い山行や、ある件数を超えた分が、削除されるのではなく、アップグレードするまで見えなくなる。「ルート履歴が無制限」が有料機能として売られているなら、無料側のどこかに天井があるという合図ではあるが、その天井は削除ボタンというより有料の壁であることのほうがずっと多い。実際にどちらなのかはアプリごとに違うので、思い込まずに確かめる価値がある。
そもそも上限がある理由
GPX の軌跡それ自体はとても小さい。一日分の座標でも小さなテキストファイルで、何年分保管してもコストはほとんどかからない。実際にコストを押し上げているのは、ルートに紐づく写真や動画クリップ、音声メモのほうで、しかも端末を失くしたり買い替えたりしても残るようにクラウドにバックアップされている場合はなおさらだ。クラウドの保管は一度きりの出費ではなく、ユーザーが増えるほど、山行が増えるほど膨らんでいく継続的な費用になる。だから、メディアも込みで全員に永久に無制限の履歴を無料で約束するというのは、日を追うごとに提供コストが上がっていく約束をすることに等しい。無料プランに上限を設けて、上限なしの版を別に売るというやり方は、その帳尻を全員から前払いさせずに合わせる方法の一つだ。
「上限がある」とは実際どういうことか
具体的なやり方はアプリごとに違うので、これも当てずっぽうではなく確かめたほうがいい。一度に表示できるルートの件数を制限して、新しいものが古いものを押し出す形にしているアプリもある。データ自体はあっても、遡って見られる、あるいは検索できる範囲を制限しているアプリもある。端末に保存される分ではなく、クラウドに同期される分だけを制限しているアプリもある。どの場合も、山行の記録が消し去られるのとは違う。ほとんどの場合、その下にある記録自体はどこかに残っていて、ただいまは対価を払わない限り見えない状態になっているだけだ。
有料の壁の向こうにあることと、削除されることは違う
ここは覚えておく価値のある区別だ。上限にかかった山行は、上で見たケースであれば、端末の中か、アカウントの中か、あるいはその両方に、アプリが持っているデータとしてまだ存在していて、ただ無料プランでは表示されなくなっているだけだ。本当に削除された山行は消えてしまっていて、あとからアップグレードしても戻ってこない。無料の履歴に上限があるアプリに対して最悪のケースを決めつける前に、アップグレードすることで古いルートまで復活するのか、それともこれから先の分だけが解放されるのかを確かめておく価値がある。この点もアプリによって違うし、アップグレードを先延ばしにすること自体に代償があるかどうかを左右する。
本当に履歴が永久に消える原因は別にある
無料プランの表示上限は、本当のデータ消失とは別の問題で、後者にはもっと地味な原因があることが多い。クラウドに何もバックアップしないままアプリを削除すれば、端末側の履歴も一緒に持っていかれることがある。バックアップから復元したり同期済みのアカウントに再ログインしたりせずに新しい端末に乗り換えても、同じことが起きる。山行の途中で容量が尽きると、保存そのものが完了しないことがまれにあり、これは履歴の上限とはまた別の、もっと小さな種類の失敗で、iPhone の容量が山行の途中でなくなったらどうなるかというガイドで扱っている内容だ。これらはどれも、アプリがどれだけの期間履歴を残す気があるかという話ではなく、そもそもどこかに確実に保存されていたかどうかという話だ。
つまずきやすいところ
- 有料機能としての「ルート履歴が無制限」を見て、無料版は古い山行を削除すると思い込む——多くのアプリではそうではなく、単に全部を表示しなくなるだけだ。
- 「まっさらにやり直したい」とアプリを削除する前に、履歴がバックアップされているか確かめない——端末にしか保存されていなければ、そのアプリと一緒に履歴も消える。
- 無料プランの表示上限と、端末の容量不足を混同する——一方はアプリ側のビジネス上の判断、もう一方は端末側の事情で、対処法もまったく違う。
- どのアプリも無料プランの上限を同じやり方で扱っていると思い込む——古いルートを隠すアプリもあれば、同期だけを制限するアプリもあり、あとでアップグレードして古い分が戻るかどうかも違うので、思い込まずにそのアプリで確かめる価値がある。
TrailCam でできること
TrailCam は無料版でもすべての山行を記録し、残しておく。任意の TrailCam Pro にすると、ルート履歴が無制限になるほか、音声メモが長くなり、1080p 動画、GPX / CSV 書き出し、そして端末を失くしたり買い替えたりしてもルートが残るクラウドバックアップが使えるようになる。TrailCam はダウンロード無料。
よくある質問
- 無料のハイキングアプリは、容量を空けるために古いルートを削除するもの?
- そのまま削除することは、たいていない。多くは表示や同期の範囲に上限を設けるだけで、削除まではしないが、具体的な仕組みはアプリによって違うので直接確かめる価値がある。
- ルート履歴が無制限というのは、よくある有料機能?
- そう、よくある。写真や動画が紐づいた何年分ものルートを保管し続けるのは継続的な保管コストになるので、多くのハイキングアプリは無料プランに天井を設けて、上限なしの版をアップグレードとして売っている。
- あとからアップグレードしたら、古い山行は戻ってくる?
- それはアプリ次第で、そもそもその履歴が端末だけでなくクラウドバックアップのような、確実に残る場所に保存されていたかどうかにもよる。
自分のルートを記録する
TrailCam は iPhone 用の GPS ルート記録アプリです。動画・写真・音声メモを撮ったその地点に紐づけて保存し、GPX 1.1 または CSV で書き出せます。ダウンロードは無料です。