山行中に電話を受けると、GPS の記録は止まるのか
止まらない。理由は、電話の通話と GPS の記録が、互いに競合しない別々の部品で処理されているからだ。山行の途中で電話を取ると、画面全体が通話画面に切り替わり、いかにもそれまでの動作を止めてしまいそうな割り込みに見える。だが実際はそうならない。通話はセルラー回線とスピーカーを使うだけで、その裏で GPS チップは、画面がロックされているときと同じようにそのまま動き続けている。
短く答えると
通話中でも GPS の記録は一時停止も、遅くなることも、終わることもない。ルート記録はバックグラウンドタスクで、アプリがバックグラウンドでの位置情報利用を許可されている限り、iOS はそれを動かし続ける。電話を取っても、その許可が取り消されたりアプリが終了したりすることはない。通話が画面とスピーカーを占有している間も、GPS 受信機はその裏でずっと位置を測り続けている。通話が三十秒でも二十分でも変わらない。
別々のハードウェアが、別々の仕事をしている
通話はセルラー回線の上で動いている。メッセージやモバイル通信を扱っているのと同じハードウェアだ。GPS の記録は、携帯電話網ではなく衛星からの信号を拾う、まったく別の受信機の上で動いている。電話を取ったからといって GPS 受信機に止まれという指示が飛ぶわけではない。そもそも通話は一度も GPS を経由していないからだ。この二つがまったく同時に動けるのは、どちらも相手が終わるのを待つ必要がないからにすぎない。
電波の入らない場所でも GPS の記録が動き続けるのと、理屈は同じだ。もともとセルラー回線に依存していない。通話には当然その電波が要るし、ルート記録には要らない。だからこそ、一方だけがあって他方がなくても、互いに影響しないでいられる。
通話画面が実際に奪うもの、奪わないもの
着信に出ると、画面はシステムの通話画面に切り替わり、スピーカーか受話口が通話に渡される。記録アプリが画面に開いていた場合は、その瞬間にバックグラウンドへ回される。これはごく普通のバックグラウンド化であり、画面がロックされたときや別のアプリを前面に開いたときと同じ扱いにすぎない。記録アプリの裏側のプロセスは動き続けていて、ただ今いま目の前に表示されているものではなくなっただけだ。バックグラウンドでの位置情報利用を許可されたルート記録アプリは、画面に表示されているアプリでなくても、位置の記録を続けられる。
本当に記録を終わらせてしまうのは、アプリの強制終了という別の、はるかに意図的な操作——アプリスイッチャーで上にスワイプして消す操作——であって、電話に出ることではない。その違いと、強制終了が記録中のルートに実際に何をするのかは、強制終了と GPS 記録についてのガイドで扱っている。
電話が唯一コストになりうるところ
通話はただでは済まない。セルラー回線とスピーカーは、通話が続く間ずっと電力を使い、それは GPS 受信機がもともと使っていた分に上乗せされる。長い山行の途中で何本か電話を挟めば、山行中に他の用途で phone を使うのと同じように積み重なっていく。これは記録そのものの仕組みを変えるコストではなく、記録の横に並んで存在する、別種の実際のコストだ。
勘違いしやすいところ
- 電話に出ることを、強制終了と同じようにアプリから離れる行為だと思い込む——実際は画面をロックしたときと同じバックグラウンド化にすぎず、バックグラウンドでの動作を許可された記録は止まらない。
- 通話画面が表示されている間、記録が取れていないのではと心配して電話を早く切ってしまう——通話は一度も GPS を経由していないので、何も取りこぼしてはいない。
- 記録に空白があったとき、たまたま同じ時間にあった通話のせいだと決めつける——本物の空白はたいてい別の原因、たとえば実際にアプリが強制終了されたことに由来していて、セルラー回線とスピーカーしか使っていない通話が原因であることはまずない。
- 記録を守ろうとして電話の前に機内モードにする——機内モードにすれば、そもそも電話を受けられなくなるだけで、通話の影響をもともと受けていない GPS 受信機に対しては何も追加で守ることにならない。
TrailCam の役目
TrailCam の GPS ルート記録は、画面がロックされていても、他のアプリが前面にあっても、着信があっても動き続ける。どれも、記録を続けさせているバックグラウンドでの位置情報利用の許可を取り消すものではないからだ。もし山行の途中でアプリが中断されてしまっても、次に開いたときに未完了のルートを引き継げる。ダウンロードは無料です。
よくある質問
- 長い電話をすると、記録した GPS トラックに空白ができますか?
- できません。通話と GPS の受信機は別のハードウェアを使っているので、通話が続いている間も、画面がロックされているときと同じようにルートは位置の記録を続けます。
- 通話画面は記録アプリから切り替えたことになりますか?
- 画面のロックや別のアプリを開いたときと同じ、バックグラウンド化として扱われます。バックグラウンドでの位置情報利用を許可されたルート記録アプリは、いま画面に何が表示されていても動き続けます。
- 電話が原因で GPS の記録が本当に止まることはありますか?
- アプリが強制終了された場合に限ります。それはアプリスイッチャーで上にスワイプして消すという、別の意図的な操作であって、電話に出たり切ったりするだけで起きることではありません。
自分のルートを記録する
TrailCam は iPhone 用の GPS ルート記録アプリです。動画・写真・音声メモを撮ったその地点に紐づけて保存し、GPX 1.1 または CSV で書き出せます。ダウンロードは無料です。