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圏外でも「位置情報を共有」は届き続けますか?

届きません。ただし理由は GPS そのものとは関係ありません。スマートフォンが自分の位置を割り出す計算は、衛星の電波を聞くだけで完結するので、圏外かどうかに関わらずいつでもできます。それを誰かに伝えるのはまったく別の作業で、自分のスマートフォンから位置情報を送り出し、通信網を越えて、相手の画面に届ける必要があります。通信を失えば前者はそれまでと同じように動き続け、後者はその場で止まります。どちらも「位置情報」という同じ言葉で呼ばれるせいで混同しやすいので、山に入る前にどちらを当てにしているのか、はっきりさせておく価値があります。

結論

「探す」の「位置情報を共有」や、メッセージアプリのリアルタイム共有機能は、位置情報を外へ送り出す以上、動作に通信が要ります。電波もWi-Fiもない場所では、そもそも送り出す先がないので、共有した相手にはそこで更新が届かなくなります。同じスマートフォンで同時に動いているGPS記録の方は、これとはまったく無関係です。記録は誰かに位置を渡すためではなく、自分の位置を知るためだけの仕組みで、そこに通信は最初から関わっていません。

同じ「位置情報」という言葉で呼ばれる、別々の仕組み

GPSによる測位は一方通行で、しかも手元だけで完結します。衛星が電波を出し、スマートフォンは複数の衛星からの到達時刻の差を聞き取って自分の位置を計算します。何かを衛星へ送り返すことはなく、アカウントも通信網もこの流れのどこにも入りません。記録アプリはこの位置を、山行が続く間ずっと、端末のGNSS受信モジュールから直接読み取り続けているだけです。

「位置情報を共有」はまったく違う形の作業です。スマートフォンが自分の位置を割り出すところまでは同じですが、そのあとその位置をどこかのサーバーへ渡し、サーバーが一定の間隔で相手の端末へ届けて、相手の画面の点を動かし続ける必要があります。最初の通信が切れた時点で、そこから先の二つの中継はどちらもこちらの手が届かなくなり、しかもその両方が、山道でいちばん期待できない種類の通信を必要とします。

共有には通信が二重に要る。記録には一度も要らない

「圏外」を単純な一つの停電のように考えたくなりますが、リアルタイム共有が実際に頼っているのは、やり取りの両端で通信が同時に生きていることです。スマートフォンには更新を送る通信が要り、間に立つサーバーにはそれを受け取って保持する通信が要り、相手のスマートフォンにはそれを取りに行く通信が要ります。手元で完結している記録は、そのどれにも関わりません。関わっている経路は空から受信機までの一本だけで、そこに基地局もインターネットも一度も挟まりません。

圏外に入った瞬間、実際に何が起きるか

GPS記録は、圏外に入ってもそれまでと同じ頻度で新しい点を書き続けます。記録が頼っているものの中に、携帯電話の電波が含まれていないからです。一方、リアルタイム共有は、新しい情報を送るのを黙って止めるだけです。エラーも出ませんし、相手に「うまく送れなくなった」と知らせる仕組みもありません。相手の画面では、共有されていた点がただ動かなくなり、圏外に入る直前に最後に届いた場所にそのまま留まります。この一時停止はこちら側からも見えません。「共有相手からもう見えなくなった」という警告が出ないのは、通信が届いたかどうかを知っているのが相手の端末の側であって、こちらのスマートフォンではないからです。

本当に注意すべきところ——止まっている点は、動いている点と見分けがつかない

通信の仕組みそのものより、こちらの方が実は重要です。40分前に更新が止まった点は、通信の届かない谷に入ったせいで止まっているのだとしても、相手の画面の上ではいまの正確な位置を示している点とまったく同じ見た目をしています。静止した点だけを見て、それが「いまの位置」なのか「最後に届いた位置」なのかを区別する手がかりは、点そのものには何もありません。多くの共有機能は最終更新時刻をどこかに表示していますが、地図を眺めているだけだとその時刻表示は見落としやすく、しかも点が止まっている見た目は、展望台で休んでいる人にも、1時間前から圏外に入ったままの人にも、同じように現れます。圏内に戻れば共有は自然に追いつき、動き始めます。あらためて何かを操作し直す必要はありません。

勘違いしやすいところ

  • ハイキングアプリが「GPSを使っている」なら、誰かに位置を伝えることもこっそりやっているはずだと思い込むこと——ルートを記録することと、それをリアルタイムで人に伝えることは、まったく別の機能です。片方をしているからといって、もう片方もしているとは限りません。
  • リアルタイムで共有された点を、山行の間じゅう誰かが見続けている証拠だと考えること——圏外に入れば点はそのまま黙って止まり、圏外でいる間はずっとその状態が続きます。
  • 機内モードを、単なる圏外と別物のように扱うこと——どちらの場合も更新を送る通信がないという点は同じで、リアルタイム共有はどちらでも同じように止まりますが、GPS記録の方はどちらでも変わらず続きます。
  • 共有が止まっていることを、記録そのものが壊れた合図だと受け取ること——これは逆の状況です。共有が止まるのは何も送り出せていないという意味で、記録が続いているのは、その間もルートがスマートフォンの中に書き込まれ続けているという意味です。

TrailCam でできること

TrailCam は GPS でルートをバックグラウンド記録し、これに通信は必要ないとはっきり書いています。自分の記録をクラウドへ同期するのも、オンラインに戻ってから行われるだけです。これは、歩いている間に誰かへ自分の位置を伝えることとはまったく別の話で、圏外になっても記録が途切れることはありません。誰かの画面のリアルタイムな地図からは見えなくなっていたはずのその区間も、自分の履歴の中ではそのまま積み上がっていて、帰ってから見返せます。TrailCam のダウンロードは無料です。

よくある質問

「位置情報を共有」は圏外でも動きますか?
動きません。位置情報を送り出すには通信が要るので、スマートフォンが圏外に入った瞬間に更新は止まり、圏内に戻ると再開します。この間に何が起きたかは、共有相手には知らされません。
リアルタイム共有の更新が止まったら、GPSの記録も止まっていますか?
止まっていません。この二つは無関係です。GPS記録は見えている衛星から直接位置を読み取るだけで通信を必要としないので、リアルタイム共有が何も送れずにいる間も変わらず続きます。
共有されている自分の位置が、いまの場所なのか、最後に分かった場所で止まっているだけなのか、相手はどう見分ければいいですか?
多くの共有機能はどこかに最終更新時刻を表示していますが、止まっている点そのものは、近くで休んでいる場合と圏外に入りきっている場合とで同じ見た目になります。時刻表示を確認する以外に、確実な見分け方はありません。

自分のルートを記録する

TrailCam は iPhone 用の GPS ルート記録アプリです。動画・写真・音声メモを撮ったその地点に紐づけて保存し、GPX 1.1 または CSV で書き出せます。ダウンロードは無料です。

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