GPXファイルにはその日の天気も記録されているのか
入っていません。どこかのバージョンで抜け落ちたわけではなく、GPXという形式そのものが天気を覚えるように作られていないからです。GPXファイルを開くと、ふつうのポイントはどれも位置情報と標高、タイムスタンプを持っていますが、雨・晴れ・風・気温といった情報を入れる場所は、GPX 1.0でも1.1でも、それ以降のどの改訂でも用意されていません。あの登りで雨が降っていたことを覚えておきたくても、その登りを記録したGPXファイルの中にその記憶は残っていません。
結論から言うと
GPXのトラックポイントが持てる情報は、緯度・経度・たいていの場合は標高・たいていの場合はタイムスタンプという、決まった少数の項目だけです。これがコアとなるスキーマがポイントに与えている語彙のすべてで、雨や風、気温、雲の量といった、そのポイントを記録した瞬間の空模様を表す項目は名前すら用意されていません。GPXのポイントは「いつ・どこ」という一つの問いに答えるために設計されていて、天気はその問いの範囲に入っていないからです。
GPXファイルが本来持つように作られているもの
GPXは、記録したルートが形を崩さずに別の地図・GPSツールへ移れることを目的に作られた形式です。Strava、Garmin Connect、Komoot、たいていのGISソフトが同じ少数の項目を読めるからこそ、ファイルが道具の間を行き来できます。この相互運用性は、スキーマが小さく予測しやすいままであることに支えられています。そこに存在する項目はどれも、受け取る側のほぼすべてのツールが使えるという理由でその場所を得ています——座標、高さ、時刻がそうです。天気もそのポイントを記録した瞬間の実際の性質の一つで、そこで撮った写真と同じような意味を持ちますが、この形式が担うために作られた狭い役割の外側にあるので、そもそも入る項目が用意されていません。
理屈のうえで潜り込める唯一の場所
GPXのスキーマは、ポイントに任意の extensions ブロックを持たせることを許しています。まさにコアの項目が想定していなかった種類のデータのためにある場所です。天気を測れる屋外向けのGPS機器であれば、理屈のうえでは独自の精度コードを書き込むのと同じやり方で、周辺の観測値をポイントのextensionsに書き込むこともできます。ただ実際には、スマートフォンが作るファイルでこれが行われることはまれで、たとえ書き込まれていたとしても、そのextensionsを読めるのは、書き込まれた特定の名前空間を認識できるソフトだけです。別のアプリが同じファイルを開けば、そこをそのまま読み飛ばして構いません。extensionsの中に天気らしい値がたまたま紛れ込んでいるGPXファイルは、それを誰でも見つけられる、あるいはどんな他のツールでも表示してもらえるものとして持っているわけではありません。
なぜ入っていて当然に思えるのか
- GPXファイルはすでにポイントごとの正確なタイムスタンプを持っていて、ある場所・ある時刻の気象記録はどこかに別に存在しているので、両者はすでにつながっていて当然のように感じられますが、実際にはたまたま同じ時計を共有しているだけの、まったく別のデータです。
- 標高を推定する助けとして、スマートフォンの中の気圧センサーがすでに気圧を読み取っているため、「スマートフォンはハイキング中の天気を分かっている」ように感じられることがありますが、これは高さのために気圧を読んでいるのであって天気を記録しているわけではなく、その読み取り値がGPXファイルに天気として書き戻されることもありません。
- 同じ日に撮った写真には天気がはっきり写っていることが多いので、同じ情報がGPXファイルに入っていないことが矛盾のように感じられますが、実際にはそれぞれ別の仕事をしている二種類のファイルというだけのことです。
天気の記憶が実際に残る場所
ファイル自体が覚えてくれない以上、その日の天気について何かを残したいなら、その場でほかの方法で記録するしかありません。空模様を写した写真、雨が実際に降っている様子を撮った動画クリップ、二つ目の見晴らし台を過ぎたあたりから降り出したと話す音声メモは、どれも同じ形式のGPXファイルの中には入らないものの、その散歩と一緒にその文脈を残してくれます。GPXポイントのタイムスタンプは、だいたい同じ頃に撮った写真やメモのタイムスタンプと手作業で照らし合わせることができ、両者が近づける限界はそこまでです。
TrailCamはどこに関わるか
TrailCamはGPSでルートを記録しつつ、何か書き留めておきたい瞬間があった場所に写真・動画クリップ・音声メモを紐づけて残せます。そのとき天気がどうだったかが記録しておきたい理由だったとしても同じです。それらはGPXの書き出し自体には乗らず、書き出されるのは位置・標高・時刻だけの普通のトラックのままなので、StravaやGarmin Connect、Komootでもそのまま問題なく開けます。写真やクリップ、メモはTrailCam内でそのハイキングと一緒に残り、あとでルートを再生したときに、歩きながら残したものすべてと一緒に戻ってきます。GPXとCSVの書き出しは任意のTrailCam Proアップグレードに含まれる機能で、アプリ本体は無料でダウンロードできます。
よくある質問
- 自分でGPXファイルに天気の情報を書き加えることはできますか?
- 簡易的にはできます。ウェイポイントの説明欄に文章として書き込むことはできますが、そのための専用の項目は用意されていないので、そのファイルを読むほとんどのツールは、それを天気のデータとしてではなく単なる文字列として扱います。
- フィットネス系や地図系のアプリが、ルートと一緒に天気を保存していることはありますか?
- あります。ただしGPXファイルの中ではなく、そのアプリ自身のデータベースの中にです。ルートに紐づけた写真がGPXファイルではなくそれを記録したアプリの中に残るのと同じ仕組みです。同じルートをGPXとして書き出すと、移動するのは座標だけで、そのアプリがその日について保持していたそれ以外の情報はアプリ側に残ります。
- ハイキングの日の天気を覚えておきたいなら、実際に効くのは何ですか?
- そのときその場で残すことです。空模様を写した写真、短い動画クリップ、話しかけた音声メモは残ります。あとからそれをGPXファイル自身のタイムスタンプと照らし合わせるのが、二つの記録がつながる一番近い形です。
自分のルートを記録する
TrailCam は iPhone 用の GPS ルート記録アプリです。動画・写真・音声メモを撮ったその地点に紐づけて保存し、GPX 1.1 または CSV で書き出せます。ダウンロードは無料です。