TrailCam

ガイド

山行後に写真へ位置情報を後付けする

位置情報サービスをオフにしたまま撮った写真や、樹林の下で測位できないまま撮った写真は、ファイルに座標が入っていません。それで終わりというわけではありません。同じ山行を記録した GPS の軌跡——GPX ファイルでも、アプリの中に残っている記録でも——がどこかにあれば、撮影時刻だけを手がかりに、あとから写真をその軌跡上の位置に重ねられることがよくあります。

先に結論

できます。ただし条件が 1 つあります。その山行を記録した軌跡が存在していることです。GPX の軌跡は各点に時刻が入っており、写真も座標の有無に関係なく、撮影時刻をファイルのメタデータに必ず持っています。この 2 つの時計を突き合わせれば、写真を撮った瞬間にいちばん近かった軌跡上の点を探し出し、その点の座標を写真の位置として使えます。写真ファイルの中にもともと位置情報が入っていたわけではなく、あとから軌跡側の座標を借りてくる、という仕組みです。

できないのは、そもそも記録されなかった軌跡を作り出すことです。マッチングが成り立つのは、時刻付きの軌跡がすでに存在しているからです。誰も記録していない山行で撮った写真には、重ね合わせる相手そのものがありません。

必要になるもの

  • 写真自身の撮影時刻。カメラがメタデータへ自動的に書き込むもので、位置情報サービスの設定とは無関係の項目なので、座標が抜けていてもほぼ必ず残っています。
  • 写真を撮った時間帯を含む GPX の軌跡、または同等の記録済みルート。各点に時刻が入っていることが前提です。
  • 2 つの時計を同じ基準でそろえること。GPX の時刻は慣例として UTC、カメラの時刻は多くの場合ローカルタイムで記録されます。時差を取り違えると、すべての重ね合わせが的外れな場所にずれます。

実際にどう突き合わせるか

専用ツールを使う

これはかなり歴史のあるツールのジャンルで、写真の撮影時刻を読み取り、GPX の軌跡の中でいちばん近い時刻の点を探し、その座標を写真のメタデータへ書き戻す、という処理をまさにそのためだけに行います。無料の定番コマンドラインツールである ExifTool には、この用途専用のジオタグ機能があります。写真管理ソフトの中にも「トラックとの同期」や「GPS ログからジオタグ」のような名前で同じ仕組みを備えているものがあります。やっていることはいつも同じで、2 つの時刻を比べ、1 回だけ座標を探し、それを書き戻すだけです。

数枚だけなら手作業で

写真が数枚程度なら、専用ツールを使うまでもありません。GPX ファイルをテキストエディタか、点をそのまま表示できる地図ビューアで開き、写真の撮影時刻にいちばん近いタイムスタンプを探して、その隣にある緯度と経度を読み取ります。何枚も続くと面倒ですが、正確ですし、ファイルそのもの以外は何も要りません。

つまずきやすいところ

  • タイムゾーンの取り違え。UTC の軌跡タイムスタンプと、ローカルタイムの写真タイムスタンプをそのまま比べると、すべての重ね合わせが何時間分もずれた場所に着地します。比べる前にどちらかの時刻をそろえておく必要があります。
  • 時計のずれ。カメラの時計と GPS 機器の時計は別々の時計です。何週間もリセットせずに使っていると、数分のずれが少しずつ積み重なり、軌跡上のどの点も少しずつ間違った位置とマッチしてしまいます。
  • 軌跡の空白。記録が一時停止していた区間や、測位を見失っていた区間には、突き合わせる点そのものがありません。その空白の中で撮った写真は自信を持って位置を割り出せず、残っている一番近い点はあくまで目安にしかなりません。

それでも直らないこと

この方法で音声メモを突き合わせても、ファイル自体には位置情報の項目そのものがありません。ボイスメモのようなアプリはもともと位置を持たない仕組みなので、突き合わせがうまくいっても分かるのは「この録音は軌跡のどのあたりだったか」までで、写真のように座標をファイルへ書き込むことはできません。対応関係は別のメモとして自分で残しておく必要があります。

また、あとから突き合わせて分かるのは「どこで起きたか」までです。記録しながらルートに紐づけていた場合に得られる、山行のどのあたりだったか、そのとき登りがどうだったかといった文脈までは戻ってきません。それは撮影時にリアルタイムで記録されていたからこそ残る情報で、あとから座標だけを復元しても再現はできません。

TrailCam でできること

TrailCam は、記録画面を離れずに撮った写真・最大 2 分の動画クリップ・音声メモを、撮ったその瞬間にルート上のその地点へ紐づけて保存します。位置情報がそもそも欠けることがないので、あとから復元するメタデータも、そろえる時計もありません。ダウンロードは無料です。

よくある質問

撮ったあとの写真にも GPS の座標を後付けできますか?
できます。撮影時刻を含む GPS の軌跡が残っていれば、専用ツールでも、数枚なら手作業でも、写真の撮影時刻と軌跡のタイムスタンプを突き合わせて、いちばん近い点の座標を借りてこられます。
動画でも同じことができますか?
できます。動画ファイルも写真と同じように撮影時刻をメタデータに持っているので、同じ突き合わせが使えます。ただし記録が空白になっている区間は写真と同じく埋められません。
そもそも山行を軌跡として記録していなかった場合はどうなりますか?
突き合わせる相手がないので、位置は割り出せません。この方法はすでにある記録の上に写真を重ねる仕組みであって、記録されなかった軌跡を作り直すことはできません。

自分のルートを記録する

TrailCam は iPhone 用の GPS ルート記録アプリです。動画・写真・音声メモを撮ったその地点に紐づけて保存し、GPX 1.1 または CSV で書き出せます。ダウンロードは無料です。

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