GPXトラックのポイント数を減らすには
GPXトラックのポイント数を減らす処理は「簡略化」と呼ばれることが多く、記録アプリの中で行う機能というより、GISやGPS向けの専用ツールが担う作業です。きちんとした簡略化ツールを使えば、地図上の見た目の形をほとんど変えずに、描くのに必要なポイント数だけを大きく減らせます。逆に、一定間隔でポイントを機械的に間引くような乱暴なやり方だと、その道のりを道のりたらしめていた鋭いカーブそのものが丸められてしまうことがあります。
結論から言うと
ポイント数を減らす標準的な方法は簡略化アルゴリズムで、多くのGISやGPSツールが実際に使っているのは Ramer–Douglas–Peucker アルゴリズムと呼ばれるものです。線の向きが変わる場所のポイントを残し、すでにほぼ直線に近い区間のポイントを間引く、という考え方で動きます。急なつづら折れはその区間で線が大きく曲がっているぶん、ほとんどのポイントがそのまま残ります。逆に長くまっすぐな林道は、数百個のポイントがあっても数個で同じ形を表せるので、その大部分が削られます。この処理は、そのハイキングを記録したアプリの中ではなく、地理データを編集するために作られた汎用ツールの領分です。記録している最中に判断することではなく、記録が終わったトラックに対して一度だけ行う後処理だからです。
なぜわざわざ間引くのか
実際のところ、ファイルサイズが理由になることはあまりありません。GPXはプレーンテキストで、長い一日のハイキングを記録しても、そのハイキングに残す写真や動画クリップに比べればトラック自体は小さなファイルのままで、ポイント数だけでメールに添付できない・アップロードできないというほど重くなることはまずないからです。もっとよくある理由は、受け取る側に制限があることです。取り込み先のツールや古いGPS専用機、あるいは特定の作業手順の途中の一段階が、1本のトラックから受け付けるポイント数に上限を設けていて、密度の高いファイルはそのまま弾かれてしまうことがあります。もう一つの理由は見た目です。ポイント密度が非常に高いと、あるズームレベルで線がわずかにギザギザして見えることがあり、簡略化した後のほうが実際のルートを変えずにすっきり見えることがあります。
丁寧な簡略化と乱暴な間引きの違い
どの方法で減らすかは重要です。きちんとした簡略化アルゴリズムは線全体の形を見て、その形を保つのに必要なポイントだけを残すので、曲がり角はちゃんと曲がり角のまま、まっすぐな区間は両端の2点程度まで縮みます。一方で、3個おき・5個おきに機械的に削る、あるいは線がどう動いているかに関係なく一定距離ごとに1点だけ残す、というような乱暴な方法は、トラックのどの部分も同じ扱いにしてしまいます。
- 一定間隔での削除は、鋭いつづら折れの角を削り取ってしまうことがあります。そのポイントが曲がり角を支えている1点だと、機械的な削除は判断できないからです。
- 短い往復区間も、行きと帰りの2本の線が1本のぼやけた線に見えるまで間引かれてしまうことがあります。折り返し地点にたまたま来たポイントを特別扱いする仕組みが、一定間隔の削除にはないからです。
きちんとした簡略化ツールは、すべてのポイントに同じルールを機械的に当てはめるのではなく、トラックの実際の形にもとづいて残すポイントを選ぶため、こうした問題を避けられます。
ポイントと一緒に薄くなるもの
GPXの1ポイントには位置情報だけでなく、たいていタイムスタンプと標高の値も一緒に記録されています。ポイントを削ると、地図上の場所だけでなくこれらの情報もまとめて失われます。簡略化を強くかけたトラックはタイムスタンプの数も減るため、あとから保存済みの合計値を読むのではなくファイルからペースや行動時間を計算し直す場面では、この影響が出やすくなります。標高も同様です。地図上できれいな線を描くための簡略化は位置を最適化しているのであって標高を最適化しているわけではないので、元の記録が捉えていた小さな上り下りが、たまたまほぼ直線区間の途中にあると、まるまる均されてしまうことがあります。
TrailCamはどこに関わるか
TrailCamは実際に歩いた密度のままルートを記録し、あらかじめ間引くことなく標準的なGPX 1.1ファイルとして書き出します。書き出されるのは、すでに誰かの都合で減らされたバージョンではなく、記録されたそのままのハイキングです。書き出し先で必要なポイント数がそれより少ない場合は、それはTrailCam内の設定ではなく、簡略化のために作られたツールであとから行う別の作業になります。GPXの書き出しは任意のTrailCam Proアップグレードに含まれる機能で、アプリ本体は無料でダウンロードできます。
よくある質問
- ポイント数を減らすと、トラックが示す距離は変わりますか?
- 丁寧に簡略化されたトラックは形をほぼ保ったままなので、距離はほとんど動きません。アルゴリズムがまさに線の形を保つようにポイントを選んでいるからです。一定間隔で機械的に間引く乱暴な方法のほうが、丁寧な方法なら残していたはずの角を削ってしまう分、距離のずれが大きくなりやすい傾向があります。
- 書き出す前に、ハイキングアプリ側でトラックを簡略化してもらうことはできますか?
- アプリによりますが、一般的には記録アプリが書き出し時に自動でやることではなく、トラック編集のために作られたGISやGPS向けのソフトが別途担う作業です。フル密度で書き出したGPXファイルは、あとからいつでも簡略化専用のツールにかけられます。
- GPXトラックが「ポイントが多すぎる」と言える明確な基準はありますか?
- 共通の基準はなく、完全にファイルの行き先となるツールや機器の上限次第です。あるインポートツールでは問題なく受け付けられる密度のトラックでも、上限の低い古いGPS専用機や別の作業手順では密度が高すぎると判断されることがあります。
自分のルートを記録する
TrailCam は iPhone 用の GPS ルート記録アプリです。動画・写真・音声メモを撮ったその地点に紐づけて保存し、GPX 1.1 または CSV で書き出せます。ダウンロードは無料です。